【大紀元日本11月11日】ベトナムは、中国政府が配信し始めたオンラインマップ「天地図(マップワールド)」に示された南シナ海の境界線に、「深刻な主権侵害」とクレームをつけた。中国の領域問題をめぐる独断的な行動を浮き彫りにした。
ベトナム政府の公式サイトによると、「天地図(マップワールド)」に示された南シナ海の境界線は、9本の途切れた線を用いて、両国間で紛糾しているスプラトリー(南沙)諸島とパラセル(西沙)諸島が、中国の水域にあるかのように示されている。11月5日、ベトナム外務省は、「天地図」は1982年の「国連海洋法条約」に違反し、2002年に交わされた「中国・ASEANの南シナ海における関係国行動宣言」の主旨に反するものだという声明を発表した。
10月20日、中国の測量地図製作局が無料のオンラインマップサービスを開始。衛星を通して分刻みで更新されるグーグルとは対象的に、年2回の更新で運営される。
同じ共産主義政権として、ベトナムはこれまで中国との領土問題を表に出さないようにしてきた。しかし、政府の行動力のなさに対する批判が高まり、9月11日の中国当局によるベトナム漁船拿捕・漁師9人拘束の事件などに対して、反発する発言を出すようになった。
現在のところ、中国政府側は、この途切れた線が、全領域におよんでいるのかについて明確な発言はしていない。興味深いことに、この途切れた線は、尖閣諸島の手前で止まっている。
(編集・鶴田)
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