【大紀元日本7月30日】広東語使用制限への抗議活動が広がりを見せている。25日に広州市で行われた1万人の抗議集会に続き、8月1日に、広州市と香港市の市民らが両地で「8月1日広東語を守る大行動」の集会を同時に開催する計画が、このほど発表された。ラジオ・フランス・インターナショナル(RFI)が報じた。
抗議活動の背景には、今月はじめ、広東語のテレビ放送を共通語(北京語)放送に切り替える方針を広東省政府が決定したことがある。さらに、広州市内の一部の学校でも、校内での広東語使用を禁止する動きが出たことに対し、広東語圏の人々は、広東語や地域文化保護のために自ら行動を起こした。
8月1日香港で開催される集会は、当日午後2時に湾仔修頓球場(Southorn Playground)で開始、香港政府の所在地までデモ行進が行われる。また同日、広州市人民公園でも集会が開催される予定。主催者は参加する市民に白いシャツを着るよう呼びかけている。
香港とその近隣の深セン市と広州市は、広東語が最も広く使われている地域であり、香港が中国に返還されて13年になる今も、この地域では、広東語が依然主要公用語としての役割を果たしている。広東省当局の広東語使用制限の方針に多くの香港市民が危惧を感じている。香港の出版社「次文化堂」の彭志銘・社長は「国は公用語を統一する必要があるが、しかし地域文化を消滅させてはいけない」と述べた。
香港集会の主催責任者の一人である蔡淑芳氏は自身のブログで、「日曜日のデモ行進に関してすでに警察側に集会許可書を申請した。結果がどうであれ、集会は午後2時に行う予定。広東語使用制限を打ち出したのは広東省政府であり、香港政府ではないため、デモ行進の最終目的地を中央政府の駐香港連絡弁公室にすべきだと言う人がいるが、現在、最終目的地についてまだ決定していない」と述べた。
一方、広州市での集会は政府当局からの鎮圧を受ける見通し。現在一部の集会関与者はすでに当局に監視されている。一部の広州市の若い市民は8月1日に香港での集会に参加するとみられる。
25日に行われた抗議集会は、当局が事前禁止令を出したにもかかわらず、1万人以上の市民が集まった。中には、「80後」(1980年代に生まれた世代)と呼ばれる若者も非常に多かった。地元のテレビ放送局のコメンテーターは、現在広州市の若者は就学や就職において、外省から移ってきた人々との間で激しい競争を強いられているため、地元文化への帰属意識がより強くなっていると指摘した。
この風潮を受け、香港で開催された「香港書展」(7月21日~27日)では、広東語研究に関連する書物が非常に人気だったという。出版社の次文化堂が出版した『小狗懶擦鞋』と『次文化語言』がベストセラーとなったもよう。
同社の彭社長は、広東語は春秋戦国時代からすでに存在し、文化基礎が深く、真の中原文化であるのに対して、共通語は北方の満州族のことばに由来しており、一部の北方の方言であるため、文化基礎が比較的薄い。広東語は共通語に比べ、より奥深く、表現力が豊かだと話した。また、彭社長は、広州市民が厳しい政治環境の中に置かれていても、なお地域文化を守るための抗議集会を行うことが、香港の人々が本土文化を再認識するきっかけになってほしい、と話した。
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