タイ法輪功への理由もなき拘留に抗議、駐日タイ大使館に釈放を求める=日本法輪大法学会

2008/02/29
更新: 2008/02/29

【大紀元日本2月29日】NPO法人日本法輪大法学会(鶴薗雅章代表)は2月28日、駐日タイ大使館を訪れ、タイで2月8日に22人の法輪功修煉者が拘束され移民拘留センターに拘留され、強制送還されようとしている事件に対し、タイ国王および駐日タイ大使宛ての要請文を提出し、22人を即時に釈放するよう求めた。法輪功関係者は、理由もなき拘留というやり方に強く抗議している。

拘留されたタイの修煉者の写真を入手した法輪功関係者は「なんの法律も犯していないのに、すでに6人の修煉者が監獄に送られた。男性は頭を剃られ、法廷に出た際、鎖の足かせをつけられた。タイ警察のやり方はひどすぎる。修煉者たちは全く法律を犯していない。どういう罪名なのか判決も出されていないのに、なぜ監獄に入れられているのか。女性の一人は、殴打されたという。わたしたちは各国政府と、良識ある人々に支援の手を求め、一刻も早く拘留された修煉者たちの救出を呼びかけている」と話した。

(大紀元)

罪状が確定しないうちに、頭を剃られ、鎖の足かせをはめられた男性の修煉者(大紀元)

法輪功は1990年代、中国国内で急速に普及した気功修煉で、中国共産党政権が99年に非合法化する前は、愛好者が1億人にも上った。今回の逮捕は、中国大使館からの圧力を受けたタイ警察が画策したものであると見られ、2度に分けて行われた。

その内の一人、趙樹清さんは、法輪功の平和的な気功修煉が99年に当時の国家主席により禁止されたことに抗議し、翌2000年に1年間、中国の強制労働所で拷問を受けた。

大紀元時報の取材に対し、趙さんは、中国での迫害体験に比べれば、タイ当局の逮捕など恐れていないと答え、「中国から脱出した際、パスポートをもらえなかったので、雲南省からずっと歩いて国境を越えてきたが、それはとても危険な行程だった」と話した。

趙氏ともう一人の修煉者は、警察当局に釈放を要求し、移民拘留センターへの収監を免れた。

残りの20人は、すべて国連難民として認定されているが、その内2人は申請中であった。これにもかかわらず、タイの国連難民機関の代表者らは、抑留者との接見が制限された。

最初に、バンコクの中国大使館前で座禅しながら静かに抗議していた法輪功修煉者13人が2月8日午前11時半に警察車両のバンで連行された。その後、バンコクの観光スポットでチラシを配布していた9人が同日、逮捕された。

駐日本タイ大使館側は、今回の件に関する情報および22人の安否を早急に本国に確認し、事件解決のために尽力すると積極的な姿勢を示した。

国連ケースワーカーのジュゼッペ・ベビチェニス氏は「難民認定された者が、強制送還されるという前例はない。難民として定住化を進めているわけだから。しかしながら、今回の収監は長くなる可能性がある。現在、国籍は違うが、1年以上も収監されている人々を扱っている」と述べた。

難民申請中の2人は、国連からの保護を証明する文書を持っており、強制送還を防ぐことは可能だ。

修煉者の趙さんは、他の修煉者が長期間収監されるのではないかと心配している。「中国へ強制送還される危険はないかもしれないが、この国(タイ)で自由を束縛されることがあってほしくない」とし、「自由を失うということがどういうことかわたしは知っている」と述べた。

趙さんは、法輪功修煉者による人権活動がたびたび妨害を受けていることから、今回の逮捕が中国大使館の指示によるものであると確信している。

2006年12月、タイの法輪功協会は、中国大使館からと思われる中国語の脅迫電話を受けた。その内容は、タイ国王の誕生日を祝う公式の活動に法輪功が参加すればただでは済まないというものだった。

後に、タイ政府関係者は、法輪功の参加は中国との関係を損なうものとして、参加を認めることはできないとした。

法輪功への迫害を調査したカナダの人権弁護士デービッド・マタス氏は、「中国は法輪功修煉者へのパスポート更新を拒否している。これ自体が迫害のである。中国は、各国政府に圧力をかけて法輪功の活動を阻止するようにしている。しかも、中国側による文書は全くなく、各国政府を駆り立ている。これがタイで起きていることだ」と指摘した。

さらに「タイ政府は、公益を無視して、中国共産党政権のために動いている。タイ政府は、横暴な独裁政権の強圧で動くのではなく、タイ国民のために行動すべきだ」と主張した。

2005年12月にも、法輪功修煉者の別のグループが拘留された。その中には、両親と共に逮捕された14歳の少女もいた。少女は後に解放されたが、両親は5週間にわたり拘留された。その後、一家はノルウェーに落ち着いた。

現在17歳になった少女は「わたしたちはトラックに押し込まれました。移民センターの責任者は、わたしは拘留する年齢に達していないので、ここから出てよいと言われましたが、両親といっしょにいるべきなのか、一人で外にでるのがいいのか決められませんでした。わたしの人生で最も辛い時期でした。わたしは、大晦日に一人になってしまったのです」と辛かった心中を明らかにした。

バンコクのタイ特別警察の広報担当官は、逮捕したことを認めたが、それ以上のコメントはなかった。

タイ首相の広報担当官は、この問題は警察が負うべき責任であるとし、タイのメディアで報道されていなかったため、政府関係者は知らなかったと付け加えた。

(翻訳編集・月川)