【大紀元日本1月6日】北京が直面する生態環境問題で最も深刻なものは、黄砂だ。関係部門では地球温暖化の影響を受けて、北京地区の気温も高くなると予測し、2008年北京春季の黄砂発生日数は2007年同期より増加すると見ている。北京市気象局の郭虎局長が1月3日に発表したところによると、昨年10月の北京地区の気温は平年並だったが、その他の月は平年より高くなっていたという。郭局長は今春に北京が見舞われる黄砂の予想日数は8~11日間で、平年平均値の9・7日に近いが、昨年同期比より増加すると見込んでいる。
南郊気象観測台によると、2007年北京の気温は平年同期平均気温の14℃より1・7℃高くなっており、1951年以降もっとも高い。また、35℃以上の高温が続く日数は10日で、平年同期に比べ6日多かったという。
さらに、往年に比べても2007年春の北京はこれまでの20年間でもっとも黄砂の少ない1年で、北京市気象観測台では砂嵐は3つしか観測しなかったという。郭局長によると、現時点の予測分析から、黄砂の源である北京上流の砂漠化地区の気温が高く、降雨量が少なく、さらに今年の春季における冷たい空気の活動が活発になることに加えて、砂嵐が容易に形成されるという。
気象数値によると、2007年増水期において、北京では雨の降らない日数が67日にも達しており、降雪日数も3日しかなく、平年より著しく降水量が少なかったという。また、昨年北京平原地区における降水量は2006年より多かったが、平年の584ミリに比べて11%少なくて、北京平原地区において、年々降水量が少ないことはすでに9年間続いているという。
一方、砂漠化を止めることについて、中国気象科学研究院副院長の張小曳氏は、都市緑化による黄砂防止は難しく、緑化などの措置は黄砂の濃度を弱めるに過ぎないとし、根本的に黄砂を断ち切ることはできないと示した。黄砂は数千メートル上空で移動し、樹木の高さはせいぜい十数メートルしかないからだ。
中国科学院植物研究所主席研究員の蒋高明氏は、砂漠化防止のための生物措置において、草木の作用を十分に認識すべきだとし、特に干ばつの初期段階では、草の作用は潅木より大きく、潅木の作用は森より大きいと示し、最も良い方法は、干ばつに負けない自然の回復力であると強調した。
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