中国一人っ子政策、動乱の元

2007/11/14
更新: 2007/11/14

【大紀元日本11月14日】2008年北京五輪の開催まで10カ月ほど、人権侵害、腐敗汚職によって世界範囲で悪名を馳せた中国共産党政権は、選手の訓練に励むほか、国内外の各種批判の声に対応し、名声挽回に躍起になっている。

批判の声の中に、あまり目立たないが、昔から存在してかつ深刻な問題がある。それは「男尊女卑」の問題である。多くの国の伝統文化によって、「男尊女卑」の考え方は人々の頭の中に意識せずに植え付けた。息子がいれば、老後に面倒を見てくれる人がいて、保障がある、そして、息子がいれば一族の血統が続くことができると考えている。中国はこういう考えを持つ国の典型である。

中国共産党は政権を得た際、「男女平等」のスローガンを叫んだ。しかし、ここ数十年、巨大な人口問題を解決するために、当局は「一人っ子政策」の強制執行に踏み切った。結局のところ、「男尊女卑」の問題は深刻になった。子供を一人しか産めないので、夫婦への圧力が大きく、妊娠時に胎児の性別を知りたく、女子と確認取れた場合、中絶手術を選択する可能性もある。

クリスチャン・サイエンス・モニター(CSM)紙の報道によると、「一人っ子政策」がもたらした結果は恐ろしいものだ。男子の誕生割合は女子の割合を信じられないほど上回っている。英国医学期刊誌「ザ・ランセット」のデータによると、全世界範囲で、中絶や殺害により、女子が1億人減少しており、中でも中国が5000万人を占めているという。中国の省(県単位)レベルでの男女比は120~130人:100人。通常は、男女比は104:100が正常である。当然ながら、男性の結婚で、嫁不足という問題が浮上した。

男女比のアンバランスは、もう1つの深刻な問題をもたらす。それは、地方の安定に影響が出るだけでなく、大げさに言うと、世界の安全にまで影響が出る。人口と安全のある研究データによると、一つ地域に男性人口が過剰であれば動乱を起こす可能性が大きいという。歴史の経験から見ると、結婚できなくなった男性は、結婚以外に精神の拠り所を見つけない限り、たいてい、暴力的な傾向を持つ人間になるという。

中国政府は、中絶防止に力を入れるべきである、男女のバランスを取ることは社会と政治の安定だけのためではなく、それは基本的な人権である。

CSM紙によると、最も良い方法は産前の超音波検査に対して、法整備を行い、管理を強化することにより、中絶する行為を阻止することだという。同時に、北京政府は社会福祉の措置を強化するべき、もし社会福祉制度が健全であれば、老後の不安もある程度解消され、「女子無用論」の考え方も変わるだろう。それ以外に、女性の権利を守るために、男女比のバランス問題を根本から解決したいなら、血まみれの「一人っ子政策」を廃止することが最善の方法であると指摘した。

今の中国は五輪開催に向かって全力疾走している。このチャンスを利用して中国政府に「一人っ子政策」は中絶を誘発し、多くの胎児が殺された事実を再認識させなければいけない。世界の善良な人々は手を組んで、中国政府に改善を促し、人権が尊重される真の平和を守るべきである

(記者・曾去執、翻訳・侍傑)