続報:中国広西自治区、暴動発生認め、村民28人逮捕

2007/05/25
更新: 2007/05/25

【大紀元日本5月25日】地元政府の一人っ子政策の過酷な強制執行を抗議するため、中国南部の広西チワン族自治区玉林市博白県で発生した官民衝突事件が鎮圧されてすでに数日間経過した。現地政府はこのほど、初めて暴動の発生を認め、28人の村民逮捕を公表した。村民の証言によれば、現地は依然一触即発な状況にあり、民衆の怒りがまだ収まっていない、各鎮は聨合で20数人の村民代表を選出、中央政府に直訴するため、5月22日に北京へ出発した。一方、現地政府は大量の公安や、武装警察を各鎮の役所に進駐させた。人数があまりにも多いため、200台あまりの私営バスが人員の運送に使われているという。

現地では17日から20日にかけて、8つの鎮で5万人以上の村民が、現地政府による「一人っ子政策」の強制執行に反対するため大規模な暴動を起こした。当局は事件を鎮圧するために3000人の武装警察を出動させ、住民200人を逮捕し、住民の直訴を阻止するために、公安の武装警察を現地に進駐させ、厳戒態勢を敷いた。事件直後から、当局はこの件に関する取材や報道を禁止し、インターネット上の関連情報がすべて検閲・削除され、 国内メディアも事件を報道していなかった。

5月22日夜、中国当局の政府メディア新華社が初めて事件を報道し、「一部の地域において、多いときに3千人以上の村民が集結、最終的に28人が扇動・挑発的な行為があり、暴力行為のため、警察に身柄拘束された…現地政府がすでに事態の沈静化を公表」などと伝えた。香港の中国当局寄りのメディア「文匯報」も報道し、現地では、「一人っ子政策」を宣伝する激しいスローガンの横断幕はすでに撤回され、緩和的な新しい文言に変えられた』などと伝え、事件はすでに収まったと報じた。

当局の報道では、事態がすでに沈静化したと伝えているが、村民の証言によると、現地は依然緊張した状況で、民衆の怒りが収まっていないという。村民たちは、「我々農民にはなにも残されていない。どうやって生きるのか。政府に強制押収された家財道具などはすべて返還されるべきだ。これは最低限な要求だ。政府はこの問題について、説明義務を果たすべきだが、いまだに誰一人としえ答えを出していない。非常に怒り心頭だ」と話し、今週のうちに明確な説明がなければ、2回目の抗議行動を起こす可能性があると示唆した。

香港メディア太陽報は、現地の村民の証言を引用、「沙陂、旺茂、水鳴、那トなどの鎮や村の村民は、当局が事件の情報を封鎖するのを不満を感じ、20数人の村民代表を選出、22日に北京に直訴するために出発した。現地政府が情報を聞きつけ、主要な交通ルートを封鎖したが、誰一人を捕まらなかったようだ」と報じた。

同じく香港メディア「林檎日報」によると、現地政府が暴動の再発を防ぐために、22日から大量の公安や、武装警察を各役所に駐屯させた。人数があまりにも多いため、約200台あまりの私営バスが人員の運送用に投じられたと報じ、現地村民の証言によると、バスの所有者らは、バスの強制使用を命じられ、同意しない人には、3000元(約5万円)の罰金を課せられる上、営業許可が取り上げられるという。沙河や、東平などの鎮だけで、それぞれ500人あまりの公安と武装警察が進駐しているようだ。

旺茂鎮では、「一人っ子政策」を執行する政府機構の計画生育事務所が火を付けられ、全焼した。隣接する双旺鎮では、役所周辺10メートル範囲内に警戒線が張られ、村民が近寄るのを禁止した。村民の陳さんは、「大半の村民は怖くて出勤を取りやめた。多くの店は閉まっている」と明かした。

今回の大規模暴動の起因は、政府による乱暴な「一人っ子政策」の執行に、現地の村民の怒りが爆発したためである。報道によると、現地政府が今年初めに、28項目の関連政策を打ち出し、「鉄のような決意で、鉄な手腕で、鉄の紀律で、政策違反者を取締る」という。

同県の計画生育弁公室の規定によれば、1980年以降に、1人以上の子供を出産した家庭について、一律1万元から 7万元までの「社会扶養費」を強制徴収する。林檎日報は那卜鎮の村民の話を引用し、「その費用を払えない人には、現地政府関係者が家庭用電気製品や、農業器具、飼っている豚や、鶏、牛、羊などを強制押収する。農民は一年間の収入は数百元しかないのに、このような高額な費用を払えないのがほとんどだ。今回の暴動は、政府に抑圧され続けている民衆の怒りが爆発した結果だ」と報じた。また、その費用を払えない村民の貯金口座が強制に凍結されるとの証言もある。

この村民によると、毎日、80人以上の政府関係者が頭にヘルメット、身に迷彩服、かなづち、懐中電灯、手錠などを手に、日替わりに村民の自宅2軒づつを「集中対策」する。玄関のドアをこじ開け、家財道具を強制押収したという。

ドアが抉じ開けられた村民の自宅(ネット写真)

現地のある政府関係者の証言によると、同地域での「一人っ子政策」の実行成果は驚くほど大きいという。また、現地政府の公表データによれば、4月25日までに、県内では、不妊手術18110例が執行され、直接に「計画外出産人口」3855人を減少させた、徴収された社会扶養費は788万元(約1億1千万円)に達したという。

ビデオ:暴力手段を使って一人っ子政策を強制執行したため、官吏の強制に対し抗議するしかない広西民衆