【大紀元日本5月2日】アムネスティ・インターナショナル(本部・ロンドン)はこのほど、中国大陸はたとえ死刑制度の改革と外国記者に報道の自由を与える方面ですでに改善されていても、実際、オリンピックのため人権状況の改善を承諾したにもかかわらず実施されておらず、むしろ悪化していると指摘した。
アムネスティは4月30日に発表した報告の中で、警官が審判されてない犯人を拘留すること、新しい手段で国内マスメディアを制御すること、ネットワークの情報を審査することなどなどを含めた、中国で発生している一連の人権侵害の事実を列挙した。
アムネスティのアジア太平洋部副部長キャサリン・バーバーによると、中国は、不当逮捕や拘留、国内のマスメディアとネットワークに対する情報管制を強化しているという。
アムネスティは、2006年中国の死刑執行回数は1000を超えるが、実際は8000を超えるであろうと指摘。
中国は昨年12月、 外国記者が許可をもらえば、大陸内で観光と取材ができると発表したが、2008年10月半ばまでの期限付きで、訪問者が同意しなければ取材はできない。
これが発表された際、北京の裁判所は同時に「ニューヨーク・タイムズ」の研究員・趙岩氏の上訴を却下した。詐欺罪で3年の有期懲役を言い渡された趙岩氏の案件は、中国政府による政治的報復であり、その他の中国の調査記者に対する警告とみられている。
アムネスティの報告では、中国の人権侵害の情況を指摘することは、すでに目新しいことではないが、問題になるのは、2001年にオリンピック開催権を獲得するために、中国指導者が国際オリンピック委員会のメンバーに、オリンピックに応じて、人権とメディアの自由などの問題改善を約束しておきながら、全く実行されておらず、むしろ悪化している事実である。
そのため、アムネスティは国際オリンピック委員会がさらに北京に圧力を掛けて、北京政府が人権問題を解決するように、特にオリンピックと関連する議題について改善を促すよう要求した。
アムネスティの報告は、北京は現代的なスポーツ施設や交通を整備する一方で、国民の基本的人権を侵害していることに言及。北京市の住民が、オリンピック開催のために強制立ち退きさせられたことを政府に抗議したため、4年間、刑務所に拘禁された事例をあげた。
VOAの報道によると、中国当局は依然として、アムネスティの報告に反発しており、中国外交部は、改善に向けての公約は「誠実に実施している」とコメントしたという。また、国際オリンピック委員会のジャック・ロゲ会長は、オリンピックが中国社会に建設的かつ継続的な影響を与えるとしたが、同委員会の委員らは、中国政府にどのように振る舞うべきかについては指導する立場にないという。
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