【大紀元日本10月29日】中国70万人の記者を代表する「中国報道従事者協会」理事会がこのほど北京で開催された。中国共産党(中共)幹部より、報道メディアに対する情報統制の強化を継続するとの意向と結論が出ており、会議に参加した胡総書記は、党のために「和諧社会(調和社会)」を築く目標へ向うことをメディアに求めた。
ラジオ自由アジアの報道によると、中共機関紙「人民日報」は、中共宣伝部責任者の李長春氏の話を引用し、報道メディアは正確な世論方向を把握し、全面的に胡錦濤総書記が主導する「和諧社会(調和社会)」建設に重点を置き宣伝する重要性を強調した。これについて、焦国標氏(元北京大学報道学院助教授)は、メディアを執政者の宣伝道具にすることが中共の伝統であり、今回の理事会は中共側の既定の任務に過ぎないとコメントした。
上海「世界経済報道」誌の元記者・張偉国氏は、李長春氏が提唱した「三接近」原則について、新に解釈を行い、すなわち、「党に接近、政府に接近、指導者に接近する。指導者の意思に従い、世論および新聞を銃器と同様に統治道具として使うのだ」と説いた。
張氏は、メディアの本質および功能において考えた場合、中国は、実際は報道の自由がない国であり、すべてのメディアが政治にコントロールされている世論拠点に過ぎず、宣伝は中央に同調しなければならないと分析した。張氏は、中国の政治、経済、新聞のすべてが鳥かごの中にあるとし、どんなに遠く飛んでいても鳥かごから出ていけず、根本的な問題は一党専制であり、それは報道の自由と相反するものであるからだとの見解を示した。
これまでの報道によると、国境なき記者団および多くの西側社会の人権団体は、胡錦濤総書記が執政して3年以来、中共はメディアに対する制圧は一層厳しくなったとし、多くの記者が報道の自由を行使したため、当局の弾圧と非難を受けたと指摘した。
これに対して、中共国務院報道部主任の蔡武氏は、中国には世界でもっとも自由なインターネットを有しているとし、報道世論を統制しない国はどこにもないと主張した。蔡氏は、中共および国家が所有するメディアは、党と社会の橋渡しであり、党の主張を宣伝するものであるとした。一方、改革開放後に出現した「新しいメディア」は党と国家に属さないが、中共人民大会で定められた禁止項目を遵守すべきであり、インターネットで流すべきではないと主張した。
今回の会議期間中に、国境なき記者団(RSF)による「世界報道の自由ランキング」では中国の報道は最低レベルへと下落した。168カ国の調査の中で、中国は最下位から6番目の163位であり、ミャンマー、キューバ、北朝鮮などよりわずか上である。一方、台湾は43位、新生民主国家東チモールは83位、モンゴルは86位である。RSFは、2006年中国国安および宣伝部は報道の自由に対する制圧が厳しくなったとし、記者1人が警察に殺害されたと指摘した。
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