【大紀元日本10月25日】中国の検索エンジン企業がネット市場シェアを取るために、スパイウェアを濫用、検索エンジン企業がアクセス数の架空請求で訴えられているという。ジャーナリストのベン・ロバートソン氏が米ニューズ・ウィーク誌の最新号で実態を明らかにした。
ロバートソン氏はゾウ・レンゲン氏を例にして説明した。ゾウ氏が持っているサイトyyzs.netは、中国国内で最大薬品販売サイトである。同氏は2004年にバイドゥへ加入し、アクセス数量に従い使用料金を支払っている。ある日、同氏は支払い金額が急増したことの原因究明をした結果、アクセス数の70%がバイドゥ傘下のバイドゥ・ノウズのサイトからのものが分かった。同氏は、明らかな架空アクセスであるため、今年の9月にバイドゥを訴えた。しかし、バイドゥは訴えを否認した。
この一件で、中国のインターネット市場の暗部が明らかにされた。検索エンジン企業は広告収入を上げるために、不正行為を行っているのだ。スパイウェアは中国では法律に抵触しないが、ネット利用者にとってはあまりのしつこさに食傷気味だ。しかも、スパイウェアはネットを開く度に多くの広告を出すだけではなく、架空アクセスするような非合法な動きもできることから、ネット利用者がサイトに不信を抱く恐れがある。
中国のスパイウェアは90年代から多く使用されるようになった。ゾウ氏は当時開発した中国語の検索ツール「3721」がヒットしたが、たちまち競争各社のスパイウェアに取って代わられた。最終的に、同氏も同様にスパイウェアで競争各社を撃退したという。
ゾウ氏は2003年に3721をヤフーへ転売し、自身もヤフー中国の社長として2年間務めた。また、2005年にスパイウェア防止ソフト開発の専門会社Qihooを設立し、スパイウェアを破壊させるソフトを開発するという皮肉な展開になった。
今年の9月に、北京弁護士団、広告利用企業およびネット利用者からなる「悪質ソフトウェアに反対する連盟」がヤフー中国に対して、実在しない広告がネット上で横行し、プライバシーを侵害したとして、総額1390万米ドル(約17億円)の賠償を求めた。ヤフー中国の親会社アリババ社はこの行為の違法性を否認した。同連盟は悪質行為を制止するために、同じ内容で他の検索エンジンに対しても訴える予定である。
検索エンジン企業は高利を求め、代理店を利用して広告営業しているが、それがスパイウェアの濫用に繋がった。代理店はインターネットの運営を監督管理しないため、不正行為が横行したとみられている。
不正アクセスを防ぐために、検索エンジンの加入者は、アクセス数量で広告料を支払うのではなく、固定料金にする顧客が多くいるが、小規模企業は固定料金は負担できないのが現状である。この混乱状態が整理されるまで、インターネット・サイトを新たに立ち上げた企業は経営の困難に直面せざるを得ないだろう。
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