【大紀元日本9月10日】中国当局は10日、外国メディアが中国国内においてニュースや写真、画像などを配信する場合、国営通信社・新華社の許諾を得るなどを規定した「中国駐在外国通信社報道管理法令」を発布、「国家安全を脅かす」報道に強く釘を刺した。法令は新華社を通じて発表され、即日施行された。
法令では、新華社は中国で配信された外国メディアのニュースを検閲し、法令に抵触するとみなされる内容は削除できるとし、同社の裁量権を強化した。今後は、同社の同意がなければ、海外ニュースや写真、画像などは中国で販売することはできない。
新華社が外国メディアの営業許可を一年ごとに見直し更新することになる。報道が法令に抵触した場合、メディアは警告され、内容を修正することになる。好ましくない報道をしたり、直接ニュース配信先を展開したりなど、法令違反の場合は、営業許可の停止か取り消しとなる。
また、外国メディアは、民族感情を煽ったり、人種差別やカルトや迷信行為など、「国家の安全を脅かす」報道をしてはいけないとしている。国家の統一(台湾問題)や主権、領土保全を侵す報道も罰則の対象となる。
この法令は、香港やマカオ、台湾にいる通信社にも適用され、国家財政情報などを規制した1996年4月に出された法令に替わるものである。1997年中国に帰還された香港は、当時結んだ中英間の規定により民主体制の言論自由を有している。台湾も1949年以来、自主的な管理をしてきた。
新華社は通信各社に申請文書提出を求めているが、既存の通信社には再提出すべきかどうかは明らかにしていない。
同社によると、この報道規制は「報道の健全性と秩序の推進」のためであるとしている。
法令には、外国通信社の国内利用者は国内情報元を明らかにすることを求められており、「外国通信社の知的所有権保護」のために報道の再配布を禁じている。また、新華社の職員が相応しくない申請に報道許可を与えたり、外国メディアの報道の検閲を怠った場合、その職員らも処罰されるとしている。
今年初めに、中国当局は天災などの緊急報道などを当局の許可なしで報道した場合、罰金や懲役など厳しい処罰を科すという法案を提出していた。
観測筋では、2008年の北京オリンピックを前に国内メディアと海外メディア報道を規制する方向であると言う。