ロシア、ギリシャ、ブルガリアの3カ国は、10年余りにわたる対立を解消し、長期間延期されていた黒海とエーゲ海を結ぶバルカン横断石油パイプラインの建設に着手することで合意した。
プーチン・ロシア大統領とカラマンリス・ギリシャ首相は、記者会見で、3カ国が2006年中に7億ユーロ(8億9710万ドル)規模のプロジェクトの合意書に署名するとの見通しを示した。
今回の合意で、プロジェクトをたなざらししていた14年間にわたる対立が解消した。このプロジェクトで比較的安価なロシアの原油を地中海地域に送ることにより、ロシアは同地域のエネルギー市場での位置づけを強化する、との見方が大勢となっている。
カラマンリス首相は、アテネでプーチン大統領、パルバノフ・ブルガリア大統領と会談した後「ギリシャ、ロシア、ブルガリアは、パイプライン建設を再開する合意に2006年中に署名することに合意した」と表明。
プーチン大統領は、往来の激しいトルコのボスポラス海峡をう回することを狙ったパイプラインが、エネルギー資源の安全で効率的な供給をもたらす、と述べた。
3カ国はこれまで、どの国がパイプライン建設の責任を持つかや、パイプライン施設や輸送料の所有権などをめぐって対立していた。
このパイプラインは、ブルガリアのブルガスとギリシャのアレクサンドロポリスをつなぐもので全長285キロ。最終的に日量約80万バレルの輸送能力を持つという。
[アテネ 4日 ロイター]