香港の民主派議員、襲撃され重傷

2006/08/22
更新: 2006/08/22

【大紀元日本8月22日】香港立法会議員、民主党副主席・何俊仁氏は8月19日午後、中環地区で複数の男に襲撃され、重傷を負い病院で治療を受けている。犯人たちは現場から逃走した。政界関係者は警察当局に対し、今回の襲撃事件の黒幕を早急に捜査するよう要請している。また、何氏は以前、中共による臓器強制摘出を調査する国際連合調査団に参加する意向を示し、香港各界に対し、同案件に関心を持つよう強く呼びかけたり、前日に中共聯合事務局の前で、人権弁護士・高智晟氏などの釈放を求める抗議活動に参加したりしたことから、中共の関与を疑う声も浮上しているという。1997年の返還後、香港の議員が襲撃されたのは、今回が初めて。

事件当日の午後5時頃、何俊仁氏は民主党の幹部・林子健氏と中航大厦(中航ビル)地下にあるハンバーガーのファスト・フード店で、鳥打ち帽を被った大男3人に突然地面に押し倒された。男たちは2本の野球バットと1本の警棒で、約2分間殴り続けた。男たちはその後すぐに逃走し、現場には野球バットが残された。林子健氏によると、犯人の行動は非常に俊敏かつ迅速で、犯行は周到に計画されていた可能性が高いという。また、犯人たちは鳥打ち帽を深く被っていたため、顔も良くわからなかったという。何俊仁氏は目が酷く腫れ、鼻の骨が折れ、全身打撲の大ケガを負った。何氏はクイーン・メリー病院の集中治療室で治療を受けていたが、現在は一般病棟に移ったという。

襲撃される前日、中共聯合事務局の前で、人権弁護士・高智晟氏などの釈放を求める抗議活動に参加する何俊仁氏(大紀元)

米国の中国問題の政治評論家・石蔵山氏は、「私は、今回の何俊仁氏襲撃事件の背後に、卑劣な意図が隠されていると疑っている。彼らの目的は、何氏を暴行することではなく、国際社会の注目を逸らすことだ。中共政権は今、なにを一番恐れているだろうか?よく考えてみてほしい」と述べた。最近、中共政権の臓器狩りについて、世界各国の要人らは相次ぎ公に調査するよう呼びかけており、一部の国の政府は、この問題に対して厳粛に対処し始めていることや、8月9日に中国東方航空の機長・袁勝氏が米国で亡命したことなどを挙げ、「これらは、皆中共が必死に隠ぺいしようとしていることであり、中共政権は何俊仁氏への襲撃事件を起こして、国際社会の視線を逸らせようとしている」と主張した。

中国の民主化を支援し続けている「支援聯合会」会長・司徒華氏や、複数の議員らは相次ぎこのような襲撃行為を厳しく非難し、事件の背後に政治的な意図が隠されていると指摘した。香港保安局局長・李少光氏は、香港は平和的な法治社会で、このような暴力行為は断固容認できないと述べ、警察はすでに厳正な調査を展開し、犯人の逮捕に全力を挙げていると説明した。

何俊仁氏を見舞った香港民主党の党首・李永達氏は、「闇勢力には絶対に屈せず、公正な理念を堅持し続け、これからも市民に奉仕していく」と何氏のメッセージを伝えた。

(記者・呉雪児、林怡)