歴史を還元、文革40週年国際シンポジウム、ニューヨークで開催

2006/05/21
更新: 2006/05/21

【大紀元日本5月21日】「歴史の真相と集団の記憶」とテーマされる「文化大革命40周年国際シンポジウム」が12日、21世紀中国基金会とニューヨーク市立大学の連合主催でニューヨーク市立大学スタッテン学院にて開幕された。中国大陸、香港、マカオ、米国、カナダ、オーストラリアとヨーロッパから文革研究学者と専門家約50人は一同し、多くの人に知られてない文革の史実を公表すると同時に、多角度と多層面から文革の中国と世界に与えた影響を分析し、文革の歴史及び中国未来の走向について全面的な再考を行った。

『歴史の真相と集団の記憶:文化大革命40周年国際シンポジウム』主会場(大紀元)

ニューヨーク市立大学スタッテン学院の副校長兼教務主任・デヴィッド・ポーデル(David Podell)教授、21世紀中国基金会の主席、プリンストン大学の中国研究者・林培瑞教授、21世紀中国基金会代行執行主任、カリフォルニア州州立大学ロサンゼルス分校の宋永毅教授及び台湾中央研究院の近代史研究所所長・陳永発氏などが開幕式で挨拶した。召集人の宋永毅教授は、今回のシンポジウムは、歴史を思い出し、真相を還元し、過失を懺悔し、かつて歩んだ道を再考することにより、歴史の悲劇が再び発生しないようにするためであると示した。

予定された一部の中国大陸からの参加者が大陸当局の干渉により同シンポジウムに参加できなかった

組別討論:多次元の視野から見た文革(大紀元)

という。

午前中、雑誌『華夏文摘』の「文革博物館」編集主幹・華新民博士は「毛沢東はどうして文革を発動したか」の研究について解説と評論を発表した。シカゴ大学の東アジア図書館館長・周原博士は、「文革の史料学の現状と発展」について報告を発表した。また、ニューヨーク詩詞社社長・梅振才氏は豊富な文革の詩詞と歴史の図片を展示した。北京青年政治学院のケイ暁群教授より送られてきた「口述史と文革の研究」は程暁農博士より代読された。

午前中の英語シンポジウムでは、カリフォルニア州大学・蘇楊氏の「文革での大虐殺:三省の比較」、ウィスコンシン大学・郭建教授の「毛沢東、アルチュセールと文化大革命」、デラウェア州立大学の程映紅教授の「イデオロギーと世界観:物理学と文化大革命に対する毛の関連論述」が報告された。 ペンシルバニア州ゲティスバーグ大学の司馬黛蘭教授は、「文革中の孔子批判運動と孔子イメージの変遷」について分析、ニューヨーク市立大学スタッテン学院の夏明氏は「文革期間中暴力団の犯罪問題及び文革後の錯覚」を題とする研究について詳しく述べた。

 午後の研究討論で、ウイスコンシン大学の郭建教授は「文革、世界60年代及び西方文化理論」について報告し、文革に対して美化の傾向を示す中国の新左派と後学批評家を批判、それについてくるのは歴史の歪曲だけではなく、ひいては歴史の繰り返しかもしれないと指摘した。デラウェア州立大学の程映紅教授は「文革は世界に革命を輸出」したタイムテーブルと年表を報告。フランス国際放送局の胡承偉氏は1965年から1969年までの間、フランスのメディアの中国文革に対する報道及びフランスの女の子が中国で撮影した歴史の画面を紹介した。

『現代中国』の編集主幹・程暁農博士は「中ソの文革比較」との発で、ソ連共産党と中国共産党はみな政権発足から10年前後に文革を起こしたこと、ソ連共産党と中国共産党は文化領域とイデオロギーに対して制御したことなどの共通性を言及し、文革は共産党により必然的に発生する結果であり、共産制度の需要であると指摘した。

チベットの女性作家・唯色氏は同シンポジウムに参加することができず、ディキンソン大学の楊瑞教授が唯色氏より提出された『チベットの文革、1969年事件』を代読。ディキンソン大学東アジア学部の周明朗教授は「文革中の少数民族政策」について報告した。

マカオ大学の程テイ潔教授は内モンゴルで文革中「内人党」を粛清した内幕について紹介。程教授は共産党をオオカミにたとえとし、大陸で成長した人は「オオカミの乳を飲んで成長した」ようで、彼らは最初西方社会に接触するとき、人間性を配慮する西方文明社会も比較的大きな距離があると述べた。

米国在住の中国歴史専門家・朱学淵氏は自由問答の時間に、文革は「指導者の手がかり」から追跡する以外、「人民の手がかり」からももっと追跡すべきであり、深層から民衆が導かれて文革に参加したことと文革の根源を探索し調べるべきと発言した。劉伯凱氏は、共産党は文革災難を起こしたのは反対派だと世論作りをしており、また、文革の再考を抑制していると紹介、その原因は、文革の再考は必ず矛先を毛に指せることになり、さらに中共政権自身への批判に至ることになる;また、迫害の責任者をはっきり説明すると必ず共産党高層指導部まで追及することになることであるという。

(大紀元記者朱江、羅暁潔より報道)