【大紀元日本5月14日】中南米歴訪を終え、12日にインドネシアより台湾に帰着した陳水扁・台湾総統は、当日夜、ヨーロッパ商工会議所(以下、EU商工会議所)が主催した晩餐会に出席した。会場での演説で、今日の中共は専制独裁および自由民主人権の十字路にさまよっているとし、台湾に対する孤立、抑圧および犠牲は、両岸の平和に代えることはできずと指摘し、中共の政治改革および民主化を積極的に取り込むことこそが、両岸および世界に永久の平和をもたらすきっかけになるとの見解を示した。
陳総統は帰国後直ちに同晩餐会に参加したことから、EU商工会議所を重視しているとみられる。
ヨーロッパ商工会議所が開かれた宴に出席した陳総統、ヨーロッパ経済貿易事務局マイバイセン局長(左)、ヨーロッパ商工会議所シェラ理事長(右)と祝杯を交わす(中央社)
陳総統は、1870年より1945年の間に、人類史上もっともおびただしい人的損害を被った第1、2次世界大戦を含む、ヨーロッパでは多くの戦争が起きた。これらの戦争は、ヨーロッパの指導者らに、国家を復興させ繁栄させるのは平和に基づくしかないということを体得させたと強調した。
陳総統は、全体主義の中共を次第に民主化させることは、台湾のみならず、全世界のすべての国々が特別に専心し厳粛に直面しなければならない問題であるとし、歴史の誤りおよび悲劇を繰り返すことは許されないと主張した。
また、陳総統は、欧州連合およびノーベル平和賞を受賞したアリアス氏の貴重な経験などをあげ、平和があるからこそ発展があり、繁栄及び幸福があることを示した。過去半世紀において、互いの主権に属さない全体主義の中共および民主台湾が存在し、これがいわゆる「両岸の平和現状」であると指摘した。
陳総統は、中共は現在、台湾に向けて800の戦術ミサイルを備えていると指摘し、2000年当時に比べて4倍に増えたと明らかにした。また、昨年3月14日、中共は欧州連合を含む国際社会の反対を押し切って、反国家分裂法を作り、中共解放軍は台湾に対し宣戦を布告した際に備わる3段階の戦争準備がすでに完成したことも指摘し、中共は2007年までに、対台湾・全面的応急戦争を用意し、2015年には全戦全勝の軍備を完成させることに言及した。
陳総統は、全体主義の中共は終始武力または非平和的手段を使い、民主台湾を侵略および併呑を企んでいるとし、実際の両岸の平和な現状の破壊者であると指摘し、それ以上に、地域および世界平和に対する最大な威嚇者であると強く非難した。
一方、12日に台湾に帰着した陳水扁・台湾総統は、呂秀蓮・副総統、蘇貞昌・行政院長、游錫堃・民進党党首およびその他、大勢政府高官と、前例のない空港での閣僚会談を行った。閣僚らは、陳総統の外遊成果に対して評価したという。
12日、呂秀蓮・副総統、蘇貞昌・行政院長、游錫堃・民進党党首および総統府顧問等が出迎え、陳総統は国際空港の国賓室にて会談を行った(中央社)
陳総統は、今回の行程で米国側が、往復ともに給油のみで、アラスカ州の経由を指定したことに対して、「台湾の尊厳を守る」ことを理由に強調し、米国経由を取り消した。しかし、台米関係は依然良好であるとし、台米は双方の共同利益および未来における協力について共通の認識があり、直接的かつ密接な対話を行っていることを示した。
陳総統は、今回の外遊について、往路は中東、ヨーロッパ、アラブ首長国連邦等、帰路はドミニカ、リビアなどを訪問し、国交の有無にかかわらず、熱意あふれる歓待および実質的な対話ができたことに満足の意を表した。陳総統は、外交関係のない国々との経済貿易関係の発展を目指していることを明らかにした。
今回は空港での閣僚会談および空港外に集まった陳総統の帰国を歓迎する数百人の支持者の情熱ぶりから、一部の評論家は、陳総統がこれらのことによって、外界が米国経由の「挫折」を否定し、総統自身はまだ権力を握っていることを示すためであると
陳総統は支持者たちに挨拶(中央社)
陳総統と同出身地の台南の支持者は、早朝からバスで空港に到着(中央社)
12日、陳総統の帰国を空港の前で待つ「扁友会」の支持者ら(中央社)
の見方を示した。
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