北朝鮮偽ドル問題を調査しない中共政権、焦りだす韓国

2006/01/11
更新: 2006/01/11

【大紀元日本1月11日】北朝鮮偽ドル偽造問題で、6カ国協議で韓国代表団の団長を務めた宋旻淳・外交通商次官補はこのほど、ソウル市内で講演し、「直接的な関連国である米国、北朝鮮、中国が連携して解決に取り込むべきだ」と見解を示した。事件の背後には中共政権が北朝鮮の調査を一向に進めないため、韓国はこれまで主張してきた「この問題は米朝両国間で解決すべき」との姿勢を改め、米国側が「北朝鮮の偽ドル問題には、中国マカオの銀行が関与している」と指摘したことから、米朝中3カ国が協力して真相を解明すべきであると述べ、問題の早期解決を促した。

2005年9月、米国は北朝鮮のマネー・ロンダリングにマカオの為替銀行が協力し、「同為替銀行は偽ドルを含めて北朝鮮から大量の現金を預かり、市場に流通させ、北朝鮮スパイによる巨額資金の出し入れにも便宜を図った。また同為替銀行は20年以上北朝鮮との関係を持ち続け、北朝鮮の違法行為に重要な役割を果たしている」と公表した。直後に顧客から当銀行の資本金の10%に相当する4000万ドルの預貯金が解約された、そのため銀行側は「北朝鮮との取引を中止する」措置をとった。(大紀元日本は9月19日報道済みhttp://www.epochtimes.jp/jp/2005/09/html/d49886.html)

為替銀行の最高責任者・区宗傑氏はマカオ政治界の重鎮でもあり、中国共産党の腹心とも言われ、中共政治協会の委員を務めている。中共政権は当銀行によるマネー・ロンダリングの実態調査を開始して3ヶ月近くになるが、いまだに進展がないという。

2005年10月、米国は北朝鮮の偽ドル偽造と流通に関与した容疑で、アイルランド労働党のショーン・ガーランド党首などの7人を起訴した。米国司法省は事件背後には北朝鮮外交官の関与も確認され、彼らは外交特権を利用して偽ドルを運び販売していると指摘し、後に米国政府は北朝鮮の貿易会社の国内資産を凍結したという。韓国の朝鮮日報によれば、米国政府関係者は「北朝鮮の偽ドル問題には確かな証拠がある」と明かしたという。

米国による金融制裁に対し、北朝鮮は「こうした行動は六カ国協議の進行を阻害する」「対話と制裁の共存は不可能」「米国が我々の社会制度の転覆を計っているならば、核放棄の交渉は継続しない」と発言している。

一方、北朝鮮と隣接する韓国は北朝鮮の核保有に危機感を持っているため、北朝鮮の偽ドル問題を早期解決し、核問題に専念したいとの思いが強く、これまでの中共政権による事実調査に期待を寄せていたが、まったく進展がないため、今回、宋旻淳・外交通商次官補は急遽「中国も問題の解決に参与すべき」と提案した。朝鮮日報は、この問題は「もうこれ以上先送りしない」との韓国側による中共政権に発した強い要請であると論評している。

(記者・童_xin_)
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