アメリカがメキシコとカナダに対して関税を課している中、ドナルド・トランプ米大統領は両国と会談する予定だと、ハワード・ラトニック米商務長官が述べた。
アメリカは、違法移民やフェンタニルの流入に対応するため、メキシコとカナダに対して25%の関税を課している。また、カナダのエネルギー部門には10%の関税も課した。
3月4日のフォックス・ビジネスとのインタビューで、ラトニック氏はメキシコとカナダと連絡を取り合っており、両国が「より良い対応をすることを約束した」と語った。
ラトニック氏は、トランプ大統領がカナダとメキシコと「何かを取り決めるだろう」と述べた。
「一時的な停止といったことではなく、『お前がもっと頑張れば、俺もどこかで妥協する』という形になるだろうと思う」とラトニック氏は話した。
「そして、おそらくその内容を明日発表するだろう」と続けた。「結局、真ん中あたりで妥協することになるだろう。大統領はカナダとメキシコと一緒に話を進めるが、完全に彼らの要求する通りにはいかないだろう」。
カナダは、3月4日にアメリカに対して25%の関税を課すことで、アメリカの関税に反応した。
「はっきり言いますが、これらの行動に正当な理由はありません」と、カナダのジャスティン・トルドー首相は3月4日にアメリカの関税について語った。
メキシコは、3月9日からアメリカ合衆国に対して関税を課すことを発表した。
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は、「アメリカ市民や企業に対してどれだけの損害が生じるかを考えないとは信じられない。誰もこの決定で得をしない」と述べた。
カナダの対応は二段階で行われ、最初にアメリカ製品に対して300億ドルの関税が課され、21日後には1250億ドルに達する予定だ。
カナダのトルドー首相は、「アメリカの貿易措置が撤回されるまで関税は維持され、もしアメリカの関税が停止しない場合はいくつかの非関税措置を進めるため、州や領土と積極的に協議を行っている」と述べた。「アメリカ当局には関税の再考を促すが、カナダは経済、雇用、労働者、そして公正な取引を守るために断固として立ち上がる」と語った。
3月4日、J・D・ヴァンス副大統領は記者団に対し、トランプ氏がカナダと関税に関して話し合う予定であると述べた。
「フェンタニル問題、薬物問題に関して実質的な対応が必要だ」、「この関税の根底にある要素は、カナダが薬物取引の停止について真剣に取り組んでいないということだ。アメリカはそう考えている」とヴァンス氏は述べた。
「カナダは多くのフェンタニルが国内に入ることを許容してきた」と同氏は付け加えた。「メキシコからはもっと多くのフェンタニルが流入しているが、それは言い訳にはならない」。
メキシコとカナダに加えて、トランプ氏は中国に対しても、フェンタニルのアメリカへの流入を助長したとして、関税を20%に引き上げた。
「中国が『これはどんな戦争なのか?』と言うが、これは貿易戦争でも関税戦争でもなく、薬物戦争だ」とラトニック氏は述べた。「中国は今もアメリカ人を殺すオピオイド(モルヒネやヘロインなどの人工薬物)の原料を生産するために、最大限の補助金を提供している」。
中国は、アメリカに対して農産物に10%から15%の報復関税を課すことを発表している。
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