ワクチンをめぐって ワクチン義務化は「コストに見合わない」

コロナ対策率いたファウチ博士、ワクチン義務化に関し米政府トップ医師から警告受けていた

2024/03/15
更新: 2024/03/14

米政府で新型コロナ対策を指揮したアンソニー・ファウチ博士。彼が新型コロナワクチン接種を推進していたさなか、米政府のトップ医師から、接種義務化は倫理的およびその他の懸念から間違っているとの警告を受けていたことが明らかになった。

「ワクチン接種を強制・強要することは、生物学的、社会学的、心理学的、経済的、倫理的な見地から否定的な結果をもたらす可能性があり、たとえワクチンが100%安全であったとしても、そのコストに見合うものではない」

こう述べたのは、米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の感染症臨床研究ユニット長であるマシュー・メモリ医師。ファウチ博士宛の電子メールでの発言だ。

「これらの問題を考慮し、より慎重なアプローチは、高齢者や肥満者など、重篤な疾患や死亡のリスクが高い人々に私たちの努力を集中し、若く健康な人々にはこれ以上ワクチン接種を押し付けないことだ」

そのような戦略をとることで、国民の信頼と政治資金の損失を防ぐことができるとメモリ医師は語っていた。

このメールが送信されたのは2021年7月30日。当時NIAIDの長官だったファウチ博士が、より多くの人々が新型コロナワクチンを接種すればコミュニティはより安全になり、大規模接種によって新型コロナのパンデミックが終息すると主張した後のことだった。

メールを受け取る1か月前、ファウチ博士はCNNの番組でこう述べていた。「私たちは今、このアウトブレイク(感染症の突発的発生)を打ち負かすために本当に良い軌道に乗っている。ワクチン接種を受ける人が増えれば増えるほど、その確度は高まるだろう」

インフルエンザの予防接種を長年研究してきたメモリ医師はこれに同意しなかった。ファウチ博士に対しこう語っている。

「毎年の予防接種が時にはインフルエンザの進化を促進することが、その分野の研究で指摘されている」

「新型コロナに感染していない人々にワクチンを接種することは、新型コロナを引き起こすウイルスの進化に予期せぬ影響を与える可能性がある」

「ワクチン接種を義務化したとしても、何の効果もなく、ワクチンなしでもそうであったように、いずれにせよ変異株は出現し、免疫を回避する」

「最悪の場合、ワクチンは自然とは異なる方法でウイルスの進化を促し、パンデミックを長引かせたり、必要以上の罹患率や死亡率を引き起こしたりする可能性がある」

単一の抗原に頼り、一定期間しか持続しない免疫を導入したことが、このワクチン戦略の欠陥だとメモリ医師は述べていた。免疫が低下するにつれて、免疫を回避するように進化する機会をウイルスに与えることになると指摘していたのだ。

ウイルス学者のヘルト・ファンデン・ボッシュ氏など、同様の見解を示す専門家がいる一方で、米国疾病予防管理センター(CDC)などの科学界の人々は、ワクチン接種がウイルスの進化を防ぐとの見解を示している。

他に述べられていたこと

メモリ医師は、ファウチ博士と他の2人のNIAID幹部、ヒュー・オーチンクロス博士とクリフォード・レーン博士にメールを送っていた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が最初に報じたが、同紙はその内容を掲載しなかった。エポックタイムズは、米国の情報公開法を利用した情報公開請求により、この電子メールと199ページに及ぶメモリ医師の電子メール記録を入手した。ファウチ博士がメモリ医師に返信した形跡はなかった。

その後2021年、バイデン大統領の指示のもと、NIAIDの母体である米国立衛生研究所(NIH)と他のすべての連邦政府機関内で、新型コロナワクチン接種が義務付けられていった。

メモリ医師は他のメールの中で、義務化は非倫理的であり、義務化に対して起こされた裁判によって、最終的に人々が「自分自身で健康管理に関する決断を下すようになること」を期待していると述べていた。「私はそのために全力を尽くしている」と、宛先不明の女性に宛てて2021年11月2日に書いている。

メモリ医師はまた、自身と妻がどちらも互いの雇用主から課された接種義務の免除を申請したことを明かしていた。彼によれば、妻の申請は認められたが、自身の申請は認められなかったという。結局どうなったかは不明だ。

米当局がワクチン義務化の生命倫理について熟考していなかったことも、メモリ医師は指摘していた。彼はNIHの生命倫理部門に手紙を書き、ワクチンによる予防効果は時間の経過とともに薄れること、予防注射が心筋炎(心臓の炎症)のような深刻な健康問題を引き起こす可能性があること、予防接種を受けた人々も受けていない人々と同様に新型コロナを広める可能性があることを指摘した。

彼はメールの中で、カリフォルニア州の医療システム内でワクチン接種率が高いにもかかわらず新型コロナ感染者が再発していることを発見した研究や、ワクチン接種者と未接種者の間で感染率が同程度であることを示した研究など、複数の研究を引用した。

メモリ医師は「義務化の目的である疾病の蔓延を阻止する能力がワクチンにないのだから、義務化の生命倫理には特に興味がある」と述べていた。

この発言が2021年12月に開催されたNIHのイベントでの講演につながったが、メモリ医師がワクチン義務化について懸念を公にしたのはその数週間後のことだった。

「ワクチン義務化はまれなことであり、強い正当性がある場合にのみ検討されるべきだ」とメモリ医師は述べた。新型コロナワクチンについては、その効果が一時的であることから正当な理由がないと彼は示唆した。

同じくNIAIDのジュリー・レジャーウッド氏はイベントで、ワクチンの効果は高く、検出された副作用は大したものではないと発言した。彼女は、ワクチン接種を受けた人々が一定期間を経てブースター接種を必要とすることは認めた。

NIHをはじめとする多くの米政府機関は、新型コロナの公衆衛生上の緊急事態の終了に伴い、2023年にワクチン接種義務を解除した。

エポックタイムズはファウチ博士にコメントを求めたが、返答は得られなかった。

メモリ医師からは、エポックタイムズに対し電子メールで、「どんな質問にも喜んでお答えします」との返答があったが、NIAIDのメディアオフィスの許可が必要とのことだった。オフィスからの許可は下りなかった。

スタンフォード大学の医学教授、ジェイ・バタチャリア氏は、ファウチ博士に警告を発したメモリ医師には勇気があると述べた。彼はエポックタイムズに対し、電子メールで次のように語った。

「これらの義務化は、あらゆるワクチンに対する国民の信頼を低下させるなど、私の専門キャリアにおける公衆衛生当局のいかなる行動よりも、公衆衛生に対する国民の信頼を失墜させるものであった」

バタチャリア氏は、米政府による新型コロナ対策をたびたび批判してきた。

「NIHで働いている以上、メモリ医師の公の場での発言はリスキーだった。ファウチ博士や彼の元上司であるフランシス・コリンズ博士のような力を持った科学官僚に逆らう者は罰するというのがNIHの文化だ」

メリーランド州に拠点を置く大紀元のシニアリポーター。主に米国と世界のニュースを担当。