米ニューヨーク、新型コロナで50万人の人口減少…南部へ移動

2023/05/30
更新: 2023/05/30

新型コロナウイルスの大流行の影響でニューヨーク市の人口は50万人近く減少したことが米国国勢調査局の報告書で明らかになった。その大半が人口密度の低い州や温暖な気候を求めて南部の州に移動したとされる。

18日に発表した報告書の中で、2020年4月から2022年7月の間に46万8200人以上の住民がニューヨークを離れたことを明らかにした。これはニューヨーク全人口の5.3%にあたる。特に2020年から2021年の人口流出は約28万1000人と顕著な減少が見られた。

また、カルフォルニア州サンフランシスコでは7.5%の人口減少が見られたほか、ルイジアナ州レイクチャールズが6.9%、マサチューセッツ州リビアが5.9%と3都市がニューヨークの減少率を上回った。

一方でニューヨークは依然として、830万人以上の人々が住む、米最大の都市であり続けている。マンハッタン区はここ数年で人口が増加した唯一の行政区で、2022年には1万7472人増加した。

380万人超が生活し米国で人口が2番目に多いロサンゼルスも、約7万6000人の人口減少を記録した。また、3番目に人口が多いシカゴは、2020年4月から8万1000人以上の人口減少が見られた。

2022年7月時点で最も人口の多い4番目と5番目の都市は、南部テキサス州ヒューストンとアリゾナ州フェニックスだった。ヒューストンは2020年から2021年にかけて人口が減少したものの、昨年7月には230万人を超えるまでに増加した。フェニックスでは3年間で約4万6000人の人口増加が見られ、2022年7月には約164万人の人口を記録した。

人口変動の理由は都市によって様々で、住宅費、仕事、出生数、死亡数などが要因となっている。米フォーブスが参照した郵便局データによると、多くの米国人が大都市や寒い州を離れ、混雑していない地域や温暖な気候の地域に移動している。

南部州の人口増加

国勢調査では、都市に住む多くが南部へ移動していることも明らかになった。全米で最も人口増加率が高い15都市のうち9都市が南部で、そのうちテキサス州が6都市を占めた。

テキサス州ジョージタウンは昨年、主要都市の中で最大の人口増加率14.4%を記録した。

次いで、カリフォルニア州のサンタクルーズは12.5%増で、約7000人の人口増加が見られた。続いてテキサス州のカイル、リアンダー、リトルエルムの3都市も増加を記録した。

専門家によると、南部の人口増加は住宅価格の安さや税金の安さ、リモートワークの普及などか関係しているという。

南部フロリダ州では、2020年から2022年に65万5200人以上の人口増加が見られた。フロリダ州道路安全自動車局のデータによると、2021年に入ってから12万6000人以上のニューヨーク市民がフロリダ州のIDを取得していた。

この傾向が今後10年間続くと、2030年には米国の人口中心が南部に向かうと都市計画家のアレックス・ザクレスキー氏は言う。

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