中国の拙速なゼロコロナ解除にWHO懸念、医療逼迫に警戒も

2022/12/14
更新: 2022/12/14

[北京 14日 ロイター] – 中国が新型コロナウイルス感染抑制に向けた厳格な「ゼロコロナ」政策の解除を進める中、世界保健機関(WHO)は中国が今後「困難な時期」に直面するとの懸念を示した。国営メディアは北京市の重症患者について報じており、感染拡大や医療機関逼迫への警戒が高まっている。

WHOのハリス報道官は13日、「非常に厳格な管理体制からの脱却はどの国にとっても非常に難しい」と指摘。国民のワクチン接種を確実にし、病院の受け入れ態勢を整えることが課題だとし、「移行を維持するためには、地域社会や病院、国家レベルで多くの措置を講じる必要がある」と述べた。

当局が発表するコロナ感染者数はここ数週間減少傾向にあるが、検査数も同時に減少しており、当局発表のデータは実際の感染状況を反映していないとの指摘もある。

国営の新華社通信は13日、北京市の病院に重い症状がある50人の感染者が入院していると伝えた。その大半が基礎疾患を持っている人という。中国の14億の人口を踏まえるとこの数は非常に小さいが、一方で医療機関が感染者であふれてしまうとの懸念も高まっている。

ブルームバーグ・ニュースは13日に複数の関係者の話として、北京で新型コロナ感染が拡大しているめ、今週開催予定の中央経済工作会議が延期されると報じた。

政策関係者やアナリストによると、指導部はこの会議で追加景気刺激策を打ち出し、経済成長目標について議論する見通し。

中国のコロナ感染に関連した死者は累計5235人。最後に死者が確認されたのは当局がコロナ規制緩和を始める前の12月3日。

中国の国家衛生健康委員会(NHC)は14日、多くの人がウイルス検査を受けなくなったため、同日から無症状の感染者数公表を停止すると明らかにした。

NHCはまた、感染リスクの高い人や高齢者を対象に2回目となる新型コロナウイルスワクチンのブースター接種(追加接種)を開始すると発表した。

Reuters
関連特集: ゼロコロナ政策