EU、対ロ追加制裁討議 民間人遺体発見で エネルギー禁輸が焦点

2022/04/05
更新: 2022/04/05

[ブリュッセル/ベルリン 4日 ロイター] – 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のドムブロフスキス副委員長(通商担当)は4日、ロシアがウクライナ侵攻をやめるよう圧力をかける必要があるとし、EUが新たな対ロシア制裁措置を用意していると明らかにした。

ドムブロフスキス氏は「EUはこの戦争や残虐な行為を止めるために、さらなる措置を講じなければならない無いのは明白だ」と強調。「欧州委はすでに次の制裁パッケージを準備している」とした上で「ロシアに対する圧力を強化し、ウクライナへの支援を拡充する必要がある」とし、加盟国による決断に期待を表明した。

新たな制裁措置にロシア産石油の輸入禁止が盛り込まれるかどうかについては、「欧州委はいかなる選択肢も排除していない」という認識を示した。

ジェンティローニ欧州委員(経済担当)も、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のブチャで、ロシア軍撤退後に民間人とみられる多数の遺体が見つかったことを踏まえ、新たな対ロシア制裁にはロシアのエネルギー部門を標的とした措置が含まれる可能性があると述べた。

ウクライナの検察当局は3日、ブチャを含むキーウ近郊の複数の地域で計410人の遺体を発見したと明らかにした。ブチャの市長は、ロシア軍の支配下で住民300人が殺害されたと述べた。

ドイツのリントナー財務相は、ウクライナにおける「犯罪的」な戦争を終結させるため、EUは早急にロシアとの全ての経済関係を断絶する必要があると言明した。

リントナー氏は、ロシア産エネルギー輸入の全面的な禁止を含め、全ての選択肢が検討されているとしつつも、ロシアよりもEU加盟国により大規模な経済的打撃及ぶとし、ロシア産ガスの即時禁輸については疑問を投じた。

ドイツのハーベック経済相は、ロシア産エネルギー禁輸措置の「下地を整えるために毎日取り組んでいる」とし、エネルギー禁輸措置は「プーチン氏に毎日打撃を与えるだろう」と述べた。

Reuters