[東京 8日 ロイター] – 小野寺五典元防衛相は8日、ロイターとのインタビューで、安倍晋三元首相などが議論を促した「核共有」について、国家安全保障戦略の改定に向けた党提言に盛り込むことに慎重な姿勢を示した。
党の安全保障調査会会長を務める小野寺氏は、米国の核兵器を日本に配備し共同運用する核共有について、「政治なのでいろんな議論をすることは可能だ」とする一方、非核三原則を堅持する政府が認めていないと指摘。「政府が明確に否定している中で、党としてどう考えるかいろんな状況を見ながらということになる」と述べた。「米国の核の傘が日本にはあるので、安全保障上心配しなくていいと思う」とも語った。
安倍元首相は先月出演したテレビ番組で、ウクライナ情勢が緊迫化する中、核共有を議論すべきと言及。自民党の高市早苗政調会長も先週末のテレビの番組で、核兵器を「持ち込ませず」の原則について「自民党内で議論したい」と述べた。
一方、岸田文雄首相は7日の参院予算員会で、政府として核共有は認めておらず、「非核三原則を国是として堅持している」と答弁した。
政府は国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画を年内に見直す。小野寺氏は、自民党が5月にもまとめる提言に敵基地攻撃能力保有への考え方を盛り込む意向を示した。
(金子かおり、Elaine Lies、Tim Kelly 編集:久保信博)
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