「表の顔は民主化運動活動家」スパイ容疑で逮捕された在米中国人

2022/03/27
更新: 2022/05/19

米司法省は16日、スパイ容疑で中国人5人の逮捕と起訴を発表した。そのうちの1人は中国の民主化運動に取り組んでいる一方、共産党に協力していることがわかった。

5人は、中国政府の「国境を超えた弾圧計画」に関与し、米国内の中国系移民に対する嫌がらせや尾行、スパイ行為、連邦政府職員への贈賄、法執行機関への欺瞞などを行った疑いが持たれている。

そのうちの王書君被告(73)は生体認証技術の違法使用、米連邦法執行機関への虚偽情報の提供、中国共産党の「国境を超えた弾圧計画」への協力などの罪で起訴されている。有罪の場合、最高で20年の懲役刑に処される。

米司法省によると、王被告は2015年から中国の諜報機関である中国国家安全部(MSS)の指示のもと、秘密工作員として活動していた。

同被告は、ニューヨーク州で登録された「胡耀邦・趙紫陽記念基金会(2006年設立)」の事務局長を20年まで務めた。

ニューヨークの中国人コミュニティでの地位などを利用して、同被告はニューヨークなど米国内の著名な民主活動家や中国政府の反体制派、人権指導者らの情報を集め、中国政府に報告していた。

また、17年には米連邦法執行官に虚偽の供述をし、中国国家安全部との関係を否定したが、20年に自白した。

王被告は1994年に客員研究員として渡米し、後に米国に帰化した。作家としても活動していた。

王被告と古くからの知り合いである、ニューヨーク在住の中国民主党全国委員会共同主席の王軍濤氏は、「王書君氏は民主化運動を組織したり、参加することに非常に積極的だった」と話した。

また、「これまでの接触で王書君氏は中国の制度を認めるような態度を示さなかった」とし、同氏が中国政府のために働くのは主に「金稼ぎをしたかったのだろう」と推測した。

(翻訳編集・李凌)