4億人の月間ユーザーを抱えるスウェーデン大手音楽配信サービス「スポティファイ(Spotify)」は1月30日、中共ウイルス(新型コロナウイルス)関連のコンテンツに「注意喚起」を表示すると発表した。これを受け、米ホワイトハウスのサキ報道官は2月1日、中共ウイルスに関する誤情報を阻止する上での「前向きな一歩」と評価し、「すべてのプラットフォームに、より多くの取り組みを続けてほしい」と呼びかけた。
番組への批判殺到で株価暴落
スポティファイをめぐっては、同社の人気ポッドキャスト番組「ジョー・ローガン・エクスペリエンス(The Joe Rogan Experience)」が1月初め、「ウイルスとワクチンに関する誤った情報を宣伝している」として、批判が殺到した。
番組ホストのジョー・ローガン氏はこれまで、ワクチンに懐疑的な人や、子供へのワクチン接種に反対する感染症専門家などを出演させていた。ゲストの1人であるウイルス学者、ロバート・マローン博士は昨年12月31の番組で、各国政府が国民に催眠術をかけ、ワクチンを支持させていると主張。現在のパンデミックを1930年代のナチス台頭になぞらえて語った。
ローガン氏自身も若者にワクチン接種を控えるよう促す一方で、駆虫薬「イベルメクチン」がCOVID-19治療薬として効くと主張している。
こうした言動を問題視したカナダ出身の大物ミュージシャン、ニール・ヤング氏やジョニ・ミッチェル氏らは番組に抗議の意を示し、自身の楽曲をスポティファイ上から削除するよう求めた。
約300人の医療専門家がスポティファイに公開書簡を提出し、誤情報に関するルールを導入するよう求めた。
騒動によってスポティファイは大打撃を受け、同社の株価は暴落した。
番組司会者の謝罪後に株価急伸
1月31日、ローガン氏は自身のインスタグラムアカウントに10分近い動画を投稿し、謝罪の意を示した上で「自分はただ異なる意見を持つ人々と自分の番組内で会話したかっただけだ」と釈明した。
ロイター通信によると、ローガン氏の動画投稿と同日、スポティファイの株価は13.5%急伸して取引を終えた。
番組出演者がツイートで意見表明
マッカロー博士は2日、今回のホワイトハウスの対応を受け、ツイッター上で反論した。
「政府も、サキ報道官も、スポティファイも、医師ではないローガン氏を追及するのではなく、私を呼んだらどうだ。彼らが検閲しようとしている査読付きデータを全て、私がチェックしてあげるよ。そしたら彼らもそれを理解できるだろう」
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