豪モリソン首相、主要技術保護計画を発表 中国念頭に

2021/11/18
更新: 2021/11/18

豪州のスコット・モリソン首相は17日、60以上の重要技術の保護と促進を目的とした戦略計画を発表した。中国が念頭にあるものとみられる。

「重要技術の青写真(Blueprint for Critical Technologies)」と題する同計画には、量子技術、人工知能(AI)、遺伝子工学、自動運転技術、5G、ワクチン、ブロックチェーンなど63の主要テクノロジーが含まれている。

モリソン首相は、豪シンクタンク「戦略政策研究所(Strategic Policy Institute)」主催のオンライン会議で同計画を発表し、重要技術の経済的機会と国家安全保障上のリスクとのバランスをとることを目的としている、と説明した。

豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドによると、同計画は、中国が特定の分野の研究で豪大学と共同研究を行うことを阻止できるほか、輸出および外国投資を抑止することもできる。

同計画はまず9つの技術の支援に注力する。その第一弾が量子技術。量子技術の研究を商業化し、世界市場やサプライチェーンとの連携を図るため、1億1100万豪ドル(約92億円)の国家予算が割り当てられる。

中国が人工知能や量子などの重要技術で優位に立ち、これらの技術を顔認識や監視などの軍事目的で利用しているとの懸念が高まっている。

モリソン首相はまた、米英との新たな防衛協定「AUKUS」に基づいて、人工知能、量子技術、海中ドローンなどの新たな能力を開発する方法について、豪政府関係者が1カ月以内に報告することを明らかにした。

(翻訳編集・叶子静)