インターネットの自由のために戦うインド太平洋地域の人々

2021/10/02
更新: 2021/10/02

2021年2月1日にミャンマー軍が民主的に選出された政府を掌握すると、ミャンマー国民同士や外部との連絡を計画的に切断するようになった。

インターネットへのアクセスの一括制限に続いて、事前承認されたウェブサイトおよびアプリケーションを除き携帯電話からのインターネットへのアクセスがブロックされる「ホワイトリスト」と呼ばれるアプローチが迅速に行われた。

これは軍部がクーデターの情報をコントロールし、さらに恐怖を植え付けるための手段としている可能性がある。「私たちは互いに連絡が取れなくなり人々は完全に怯えていました」とミャンマー住民はWired UK誌に語った。その住民は自宅に籠って何かが起きるのを待つことを余儀なくされたという。「誰も外に行こうとはしませんでした。誰も隣の通りで何が起こっているのか、あるいは別の町で何が起こっているのかを知らなかったのです」と述べた。

このような検閲は国際連合の情報へのユニバーサル・アクセスのための国際デーが阻止しようとしているそのものです。2021年9月28日の年次記念日は情報関連法へどのようにアクセスするかと公益のための強力な機関の構築方法を強調するように設計されている。

ロンドンに拠点を置く人権団体「Article 19」が発表した報告によると、ミャンマーで起きたようなインターネットの遮断は表現の自由を侵害し場合によっては国際法に違反する可能性がある。「インターネットへの制限により反軍政抗議デモの計画や軍政に脅かされている個人を支援する取り組みが妨げられ、人権侵害に関する情報の流れが制限されています」と同団体は簡潔に述べている。 

インド太平洋地域での表現の抑圧はミャンマーだけで起きているわけではない。中国はニュース、オンラインおよびソーシャルメディア上の情報を管理するのに検閲を使用している世界で最も制限の厳しいメディア環境である。 中国政府は検閲を拒否するジャーナリストに対して名誉棄損訴訟を起こし逮捕する。ジャーナリスト保護委員会(Committee for Protect Journalists)によると、中国は2020年に47人のジャーナリストを収監して収監数世界一を記録した。次にトルコの37人、エジプトの27人、サウジアラビアの24人と続く。

独裁的な政府が情報への統制を強める中、自由を求める人々は依然として情報を得るための方法を見つけている。例えば米国グローバルメディア局(USAGM)は、ボイス・オブ・アメリカ(Voice of America)、ラジオ・フリー・アジア(Radio Free Asia)、キューバ放送事務局(Office of Cuba Broadcasting)やラジオ・フリー・ヨーロッパおよびラジオ・リバティ(Radio Free Europe/Radio Liberty)などの公共メディア・ネットワークを監督しており、週間の視聴者数は合わせて3億5400万人に上る。

USAGMの主要な目標の1つは検閲された環境で検閲されていないコンテンツを配信することであり、人々が検出されることなくコンテンツにアクセスして共有できるようにするテクノロジーを開発して提供することである。 抑圧された社会の人々は自分達でコミュニケーションを取る方法を見つけることもある。

フランス通信社(Agence France-Presse)は、2018年に性的虐待の申し立てに注目を促した中国の大学生を黙らせようとする試みに対抗して、活動家たちがブロックチェーン技術を利用して検閲を回避することを試みたと報じている。ブロックチェーンとは共有されているが細工することが不可能な暗号化台帳のことである。

この学生は北京大学の職員が1998年に起こした性的虐待事件の捜査を公表するよう学校に促す請願を行ったために、自分が脅迫されたと非難する公開書簡を書いた。この書簡はすぐに中国のソーシャルメディアから取り除かれたが、数日後にブロックチェーンサービスに再び掲載された。 あるコメンテーターは、「これはテクノロジーを利用して残忍な暴政と(戦う)方法である」と述べ、他は「歴史的な瞬間」と称賛した。 

(Indo-Pacific Defence Forum)