中国国営鉄道企業2社が参加する予定のマレーシア首都近郊での大規模な開発計画を巡る交渉は、中止することが分かった。ロイター通信が15日、報道した。
報道によると、マレーシア政府、開発業者のイスカンダル・ウォーターフロント・ホールディングス(IWH)と中国鉄路工程総公司(CREC)は14日に共同声明を発表し、同投資計画の株の持ち分に関する交渉で合意に達しなかったことを明らかにした。
声明によると、IWHとパートナーのCRECが、複合商業施設の「バンダル・マレーシア(Bandar Malaysia)」の60%株式を74億1000万リンギット(約1937億円)で取得する合意は、条件が満たされなかったため、5月6日に失効した。
マレーシア財務省が管轄する企業、TRXシティ(TRX City)は「バンダル・マレーシア」プロジェクトを進めてきた。同複合商業施設には、首都クアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道のターミナルが建設される予定だった。プロジェクトは2011年に発表されたが、17年に一時中止され、19年4月に復活したという。
IWHとCRECが共同出資で設立した合弁会社、IWH-CRECは昨年、バンダル・マレーシアの建設を開始するために、12億4000万リンギットの保証金と前金をマレーシア政府に支払った。このため、IWHは今年上半期に株式上場を果たし、50億リンギット(約1308億円)の資金を調達した。
声明によると、政府、IWHとCRECはパートナーシップを維持するために解決策を模索したが、「そのような努力にもかかわらず、3者は条件期間の延長について合意できなかった」という。
マレーシア財務省は、IWH-CRECが支払った保証金などを返却する意向を示した。TRXシティは今後も、同プロジェクトを進めていくとした。
(翻訳編集・張哲)