インドネシアは現在の防衛産業提携国だけでなく、将来的な提携が見込まれる諸国も含めた海外と継続的に外交を展開している。最近、この一環として同国はルーマニアと南アフリカの当局および防衛関係者等と協議を持ったと発表した。
こうした協議は軍隊の能力改善と防衛産業への高度技術の導入を目指すインドネシア政府の取り組みと整合している。
2021年5月27日に開催された東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)安全保障政策会議(ASPC)で発言したインドネシアの戦略防衛総局長、ロドン・ペドラソン(Rodon Pedrason)少将は、新技術と旧技術の間の溝を埋めることおよび「信頼関係を構築することで開発途上国がこうした技術を活用できる状態を確立する」ことを目的として、能力開発と技術移転に取り組むことの重要性を強調した。
Kemhanとして知られるインドネシア国防省の発表では、この2日前にペドラソン少将を含むインドネシア防衛関係者がルーマニア代表団と対面し、防衛協力体制の強化およびインドネシア国軍への技術移転の可能性について協議している。
2020年にルーマニアの首都ブカレストに所在するインドネシア大使館の代表がルーマニアのヘリコプターメーカーや銃器・弾薬メーカーなどの防衛企業を訪問したという経緯を経て、今回の協議が実現した。
2021年6月にインドネシア国防省が発表したニュースリリースによるとインドネシアと南アフリカの防衛協力協定もまもなく合意に至る見通しである。 両国は協力して、インドネシア国軍の装甲車両システム(参考として写真参照)を設計・製造・販売する予定である。2019年に陸上防衛設備メーカーであるインドネシアのピンダッド社(PT Pindad)と国際的な航空宇宙・技術大手企業である南アフリカのパラマウントグループ(Paramount Group)が提携を結んだ当初からこうした協力関係は進展していた。
オンライン雑誌「ディフェンス・ニュース(Defense News)」が2021年5月10日に報じたところでは、インドネシア政府はインドネシア国軍の装備増強に非常に意欲的に取り組んでいる。現在、インドネシア海軍へのディーゼル電気潜水艦12隻の供給、既存船舶の改良、新たな空軍戦闘機部隊の創設といった計画が進展しており、国内生産に主眼を向けている。 ジャカルタ・ポスト(The Jakarta Post)紙が伝えたところでは、2020年第4四半期にもインドネシア政府は他諸国に同様の働きかけを行っている。
9月にスウェーデンと防衛協力協定を締結し、10月には防衛機器改良についてフランスとも協議を実施した。11月に入ってからは、トルコから音響魚雷対策システム(通信妨害装置と疑似弾頭)を輸入している。
(Indo-Pacific Defence Forum)