「日本版マグニツキー法」成立を目指す議員連盟 4月に発足へ

2021/03/25
更新: 2021/03/25

3月24日、日本版マグニツキー法の成立を目指す「人権外交を超党派で考える議員連盟(以下、議員連盟)」の発起人会が国会内で行われた。共同代表は中谷元・元防衛相と国民民主党の山尾志桜里・衆議院議員が務める。山尾議員は自身のツイッターで「人権と国益に与野党の別はない。超党派で真剣に議論して結果を出したい」と投稿した。

議員連盟には自民党や国民民主党のみならず、立憲民主党や日本維新の会、共産党からも議員が参加した。中国共産党政権による人権侵害が一向に改善されないなか、人権侵害行為を制裁するための法律の制定を目指す。

会合に参加した立憲民主党の松原仁・衆議院議員は、「本日、日本におけるマグニツキー法などを目指す超党派の議員連盟の発起人会が開催されました。自民党から共産党まで含む幅広い議連のスタートで人権問題を主張していきたいと考えます」と自身のツイッターに投稿した。

欧米諸国では、人権侵害を行った当事者や組織に対し、資産凍結やビザ発行制限を科する根拠となる法律が制定されている。いわゆる「マグニツキー法」だ。マグニツキーとはロシア人弁護士の名前で、ロシア税務当局の不正を告発した人物。その後、当局に一年以上拘束されたのち、獄中で亡くなった。米国、英国、カナダなどの先進国に続き、EUも昨年末に同法案を制定した。

いっぽう、日本には外国の人権侵害行為を制裁できるような法律は制定されておらず、先進国と足並みをそろえることができない。昨今のウイグル人に対する弾圧問題でも、G7諸国のうち制裁を科していないのは日本だけだった。残酷な迫害が今も続いているなか、国会答弁では、政府は人権侵害問題だけを理由に制裁を科す関係法がないとし、積極的な姿勢はみえない。

以前よりこのことは問題視されていた。2月5日、人権活動家が主催する記者会見に出席した国際戦略家の石井英俊氏は取材に対し、欧米諸国が人権問題で連携を深めているなかで、「日本だけが一人、中国の目の前で口を閉ざし、発言できないことが世界的な連帯の穴となることを一番恐れている」と話し、日本が対中包囲網の抜け穴になることを危惧した。

(王文亮)