中国の気功法・法輪功は21年前から今日まで、中国共産党から迫害を受け、欧米各国は弾圧の即刻停止を呼びかけている。しかし、党は国民に「全員参加」を強要し迫害を強めようとしている。
中国政府はこのほど、弾圧強化策として、法輪功学習者による迫害反対の資料を見つければ、国民に「報奨金」を出す方式を設けた。通報を奨励するよう各省や直轄市に通知した。一部の地方公安局は、懸賞金の最高額は10万元(約150万円)と発表している。
この懸賞金に関する通知には、法輪功に関する「横断幕、スローガン、リーフレット、印刷物、USBメモリ、CD-ROM、テレビスポット宣伝」などが含まれる。
最高10万元 法輪功弾圧特別作戦
中国ソーシャルサイト・新浪は6月1日、山東省公安局が特別会議を開き、6月~8月にかけて同省の公安部門を派遣して、特定の信仰集団に対する「厳格な取り締まりを集中的に開始する」ことを決定したと伝えた。
7月21日、山東省の現地メディア・齊魯網は、鄒平市政治法務委員会と鄒平市公安局が信仰集団を取り締まるために「報奨金方式」を導入したと報じた。通知は、法輪功などを対象としていると明記している。報奨金の仕組みは「みんなが(取り締まりに)加わる雰囲気作り」だという。
また、インターネットによるコンテンツの制作・普及、チラシ・絵・横断幕・新聞・出版物の制作・普及、横断幕・のぼり旗の掲揚、出版・印刷、ラジオ・テレビ番組の放送などに関する通報運動も呼びかけている。
6月15日、海南省公安局は「違法な信仰活動の通報に関する報奨」を通知した。内容はほぼ山東省の齊魯網に掲載された内容と同じで、報奨金は最大で10万元だとした。広東省公安局、浙江省義烏市公安局、安徽省黄山市公安局も同様の通知を今春から発表している。
中国本土の法輪功迫害に関する情報を伝える明慧ネットによると、2020年上半期、中国警察は全国28省・自治区・市の238都市で法輪功学習者5313人を逮捕した。21年も続く法輪功迫害では、学習者が連行されても警察当局が公表しなかったり、学習者が突然行方不明になったりする場合があるため、実際の逮捕者の数はより多い可能性もある。
レッテル貼りで弾圧正当化
2018年6月、米国務省は「2017年国際宗教自由報告書」のなかで、中国共産党は法輪功やキリスト教など複数の信仰を根拠もなく「カルト」とレッテルを貼ったと批判した。また党は、「カルトとの定義に明確なルールや調査プロセスを設けていない」とした。
米国務省の報告書は、中国共産党は違法な手段を使って法輪功を迫害しているとし、「共産党が支配する法外の安全部門は法輪功弾圧を実行している」と指摘している。
米ワシントン拠点の人権組織・フリーダムハウスは2017年8月に発表した「中国における信教の自由に関する報告書」で、「法輪功からカルトの特徴は見当たらなかった」と述べた。
中国の信仰弾圧に詳しいメディア・寒冬(ビター・ウィンター)の編集長で、イタリアの宗教社会学者マッシモ・イントロビーネ氏は、共産党政権は法輪功を弾圧するためにカルトのレッテルを貼ったと、以前の大紀元の取材で語っている。
イントロビーネ氏は最近のメディア取材で、中国共産党の宗教迫害を停止するために、政策を指揮する中国共産党高官に対して制裁を科すマグニツキー法を施行するべきだと述べた。
(翻訳編集・佐渡道世)
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