中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染者が増加している中国北京市の衛生当局は6月20日、市内にある8カ所の病院の責任者と5つの区政府の幹部に事情聴取した。また、湖北省武漢から医療チームが派遣され、同市の感染状況は依然として厳しいとみられる。
中国紙・北京青年報によれば、北京市衛生健康委員会のスポークスマン・高小俊氏は20日の記者会見で、同委員会と市規律検査委員会などが市内の中日友好医院、北京協和医院、北京大学腫瘤医院を含む8病院の責任者と、東城区や朝陽区などの5つの区政府の幹部に対し、病院内の感染防止対策について、聴取を行ったと述べた。
中国メディアの報道では、北京市の蔡奇・共産党委員会書記と陳吉寧・市長は6月12日夜、前日に卸売市場で中共ウイルスの新規感染者が確認された豊台区政府の共産党委員会と区政府の幹部を緊急に呼び出し、事情を聴き、「厳しく叱責した」と伝えた。14日、豊台区の副区長と、今回の発生源とされる新発地農産物卸売市場の責任者は、防疫対策が不十分だったとして罷免された。16日、市政府は中共ウイルスへの警戒レベルを引き上げ、一部の集合住宅で外出規制措置を実施した。
また、北京市は21日、感染者が10の区に広まったとし、4地区を感染の「高リスク地域」に、37地区を「中リスク地域」に指定した。中リスク地域の中には、政治の中枢である中南海や、共産党・軍・政府の重要機関が密集する西城区の月壇街道と金融街街道も含まれる。
市当局の22日の発表では、11~21日までの感染者は計236人となった。北京関連の感染症例は浙江省、遼寧省、河北省、四川省と河南省で確認された。中共ウイルスの発生源である湖北省武漢市から、70人で構成された医療支援チームが北京市の各病院に派遣された。
一方、中国当局は引き続き、感染に関する情報統制を敷いている。北京市警察当局は19日、感染に関するデマ60件を捜査しており、すでに市民1人を刑事拘留し、9人を行政拘留したと発表した。警察によると、行政拘留した市民のうち、31歳の男性市民が「北京市での感染拡大で、早くも40人が新型コロナウイルスで死亡した」とネット上に投稿した。
中国人ネットユーザーは、北京市警察当局の公表について、昨年12月末にネット上で中共ウイルスを警告して警察当局から訓戒処分を受けた「武漢市の李文亮医師ら8人を思い出した」と批判した。
(翻訳編集・張哲)
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