バンコク捜査当局は、代理出産を通じて中国に赤ちゃんを販売する越境犯罪グループを摘発した。主犯の中国籍2人とタイ籍の7人を人身売買の容疑で逮捕した。中央捜査局副局長のTorsak Sukvimol氏は2月18日、記者団に語った。
捜査当局は13日、バンコク市内10カ所を一斉捜査した。犯罪グループは7人の妊婦、生後22日の赤ちゃんを発見した。逮捕した中国人は夫婦で、代理出産を依頼する女性を雇用していた。
「今回の作戦標的は越境犯罪組織で、これは人身売買に当たる」と、捜査局副局長は述べた。
捜査当局によると、数人の赤ちゃんは、新型コロナウイルスの蔓延による中国渡航制限で、タイに残されていた。この渡航制限が今回の摘発に繋がったという。
タイ当局は2015年、営利目的の代理出産を禁止している。有罪判決が下れば、ブローカーは最高5年の懲役および最高10万バーツ(約35万円)の罰金を科せられる。
捜査当局は、住宅や商業ビル、車両など3000万バーツ(約1億2300万円)相当を押収した。
捜査局副局長によると、犯罪グループは2012年からタイで活動しており、代理出産を請け負う女性側には、依頼者である中国の家族が40万~60万バーツ(約140万~ 210万円)の報酬を渡していた。
犯罪グループは、代理母になる予定の女性を、隣国ラオスの医療機関に送り、そこで受精卵を移植した。女性は妊娠期間中にタイに戻る。さらに、出産が近くなると、中国に渡り、出産する。
1月には、バンコク北部のパトゥムターニー県にある一軒の家屋に「出産のために雇われた」と答えた8人の女性と、15人の赤ちゃんが住んでいた。この事件が、今回の犯罪グループの逮捕につながった。
捜査局副局長は、少なくとも100人のタイ人女性がこの犯罪のギャンググループに雇われ、およそ50人の赤ちゃんが出国したと報告した。さらなる捜査のために、中国側の協力を期待していると述べた。
(翻訳編集・佐渡道世)
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