中国安徽省の太湖県と宿松県や湖南省の湘潭県で1日と2日、ゴミ焼却発電所の建設をめぐって、住民による大規模な抗議活動が起きた。地元当局は武装警察を投入し、鎮圧にあたった。警官らの激しい暴行により複数の負傷者が出た。一部の住民が身柄を拘束された。
住民の話によると、ゴミ焼却発電所の用地が住宅地や貯水池の近くにあるため、住民らが建設に反対してきた。
太湖県、数千人の村民が抗議デモに参加
5月1日と2日、太湖県の茗北村、龍林村など11の村の住民らが、「家を守る、ゴミ焼却場の建設に反対」などのプラカードを掲げて県庁舎の前で抗議活動を行った。
デモに参加した村民の張さんは大紀元に対して、「約1万人以上の村民が参加した」と話した。
張さんによると、地元当局は数百名の武装警察を動員した。一時期、双方は対峙していたが、大きな衝突は起きなかったという。
中国メディアによると、太湖県政府が、同県転橋村で、総工費6億元で約10ヘクタールのゴミ焼却発電所の建設を計画していた。ここで1日当たり1200トンのゴミが燃やされる計画だ。
昨年11月に発表された入札告示で、参加資格は資本金1億2000万元以上という定めがあった。しかし落札したのは、資本金はわずか200万元で、昨年12月末に設立したばかりの企業だった。
また、当局はこのほど、事前通告せずに同焼却場を転橋村から茗北村に変更した。茗北村の近くに2つの貯水池と2本の川があるため、住民は水汚染の可能性を危惧した。4月末から陳情活動を行っていたが、当局からの対応はなかったという。
張さんは、「当局は、抗議参加者の情報を収集するために、11の村に調査員を派遣した」と述べた。
警官の激しい暴力で住民が重体
安徽省宿松県の高嶺郷政府は、2016年から隣町との間にある河の上流でゴミ焼却発電所の建設を計画してきた。当局は当初、村民の同意を得られないなら、計画を諦めると語っていた。しかし、今年に入ってから、当局の態度は一変した。「村民の同意がなくても、8月末から建設を開始する」と宣言した。
住民は4月末から、当局に建設の中止を求めた。当局の回答がないまま、1日と2日、高嶺郷庁舎の前で抗議活動を行った。
村民の曹さんによると、2日、庁舎の前に約1000人が集まった。当局は総勢600人以上の武装警察官を動員した。警官らは、集まった住民に対して老若男女を問わず警棒で殴打した。
住民の徐さんは、「1人のおばあさんが殴られたのを見て、50代の男の村民が『やめろ』と言った途端、警官らに激しく殴られ、頭部から大量に出血した」と話した。
武装警官の暴行に怒った住民らは、庁舎内に突入し、一部の設備を破壊した。
徐さんによると、頭部をケガをした住民は病院に搬送されたが、危篤状態だという。
湖南省でも抗議デモ、5人が身柄拘束
一方、湖南省の湘潭県宏興村でも2日夜7時頃、地元の主要幹線道路に集まった数千人の住民が、住宅密集地でのゴミ焼却発電所の建設に反対する抗議デモを行った。住民らは、鎮圧にあたった武装警察と衝突し、5人が身柄拘束された。抗議活動は深夜12時頃まで続いた。
安徽省の住民と同様に、湖南省の村民は過去20日以上、地元政府に対して建設計画の中止を要請したが、回答がなかった。村民によると、当局は建設強行の姿勢を示している。
村民の方さんによると、住民らは3日夜も抗議活動を行った。
(記者・顧暁華、翻訳編集・張哲)
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