中国で今、日本のマンガやアニメの需要が急増している。背景には動画配信サイトの閲覧数の増加やコスプレ文化の普及、そして違法コンテンツや海賊版の取り締まり強化がある。
高家斉さんは温州市に住むメイクアップアーティストだ。彼女は小学生の時から日本のポップカルチャーに心酔し、なかでも「キャプテン翼」や「ONE PIECE」がお気に入りだ。
ウォールストリートジャーナルの取材に対し、高さんは「日本アニメの作風や情景描写は非常に美しい。ストーリーもいつも冒険と想像力に溢れていて、ワクワクさせられる」と絶賛。彼女は主人公のコスプレも大好きだと話した。
日本アニメーション協会の資料では、日本アニメの外国における売上げは前年比で79%も増加し、349億円に達した。売上げ増に中国が占める割合は5割で、中国市場の巨大さが分かる。
日本のマンガやアニメは数十年前から中国で人気があったが、法整備の未熟さと政府の無作為により海賊版が横行し、廉価な違法コンテンツが正規商品を圧迫していた。結果的に、日本のアニメや漫画がいくら読まれたり見られたりしても、日本の作者や著作権者に収入として還元されることはなかったが、この状況もここ数年で変わりつつある。
同紙の取材に答えた、日本最大手の広告代理店・電通の西田氏によると、かつて全ての中国の動画配信サイトが違法コンテンツを配信していたが、政府の著作権保護の一連の政策により、海賊版は勢いを失った。この事は日本のアニメの制作会社にとって追い風になったという。また中国大手動画配信サイト、優酷土豆のアニメ部門の葛楊千氏はウォールストリートジャーナルに対し、「(日本アニメの視聴者は)若者が多く、ソーシャルメディアで活発に発言している」と話す。
だが業界内は必ずしも楽観的ではないようだ。中国共産党のメディア政策のもと、日本からのアニメの輸入は急に制限されるかもしれないという懸念は大きい。
「現在進行中のアニメ爆買いは私から見れば、当局が制限をかける前の最後の買いだめに思える」と葛氏。葛氏の所属する会社は安全対策のためすでに方向転換を行い、日本の人材を集め独自のコンテンツを開発している。
(翻訳編集・文亮)
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