中国広西チワン族自治区政府元主席の韋純束氏(享年95)が12日病気で亡くなった。中国国営メディアによると、習近平国家主席をはじめ、中国共産党指導部高官らはそれぞれ、家族を慰問したり、故人を偲ぶコメントを発表したりして、哀悼の意を表した。しかし、江沢民・元国家主席の名は伝えられなかった。習政権が江氏の影響力を控えようとする動きが続いているとみられる。
高官ら「哀悼の意を表した」官製メディア 江沢民氏の話は無し
国内メディア「広西日報」や「京華網」によると、韋純束氏が亡くなった後、習近平氏、李克強氏、劉雲山氏、張高麗氏、胡錦涛・前国家主席、温家宝・前首相、朱鎔基・元首相、前中央政治局常務委員の賀国強氏などがそれぞれ哀悼の意を表した。
また、国内紙「北京青年報」傘下交流サイト(SNS)微信アカウント「政知圏」(19日付)が投稿した記事では、「亡くなった韋氏への哀悼の念を表した高官の中に、中央政治局常務委員の現職4人と前職の4人がいるが、しかし前国家主席の江沢民だけが記されていない」と指摘した。
今年に入ってから、湖北省元党委員会書記の関広富氏など中国共産党の高官がなくなった際、習近平氏や李克強氏のほか、親習陣営の胡錦涛氏や温家宝氏などは、葬儀の出席や追悼のコメント発表などの行動を国内メディアは頻繁に報道した。それに対して、江沢民は高官の葬式イベントには欠席をしている。
また、8月17日江沢民の90歳誕生日に関しても、中国当局が言及しておらず、国内メディアも報道しなかった。
国内メディアの報道をみると、中国共産党内の習派閥と江派閥の権力闘争において、江派閥勢力が弱まり、大勢が決まりつつあるようだ。今年に入ってから、江沢民とその息子の江綿恒氏が当局に軟禁されたとの情報が相次いだ。
(翻訳編集・張哲)
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