在韓米軍への高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD」配備が決定したことに対し、不快感を示す中国が次々と制裁措置に乗り出した。その一つが、中国国内から韓流スターの芸能活動を締め出すというものだ。
ウォールストリートジャーナルが関係者からの情報として伝えたところによると、中国政府のメディア規制当局は韓国に対する報復措置として、韓流スターの出演や韓国映画の配信を規制中だという。今のところ、この通達は政府機関内部にしか伝えられていない。
8月に入って、中国政府は一部の韓国人俳優や歌手が、中国のコマーシャル活動に参加することを密かに禁じている。具体的には、メディア規制当局がビザの承認手続きを遅らせたり、イベント主催者に彼らの活動を中止するよう促したりしているという。
香港聯合新聞網は、中共国家広電総局(国家放送・映画・テレビを総括管理する中央官庁)が、人気のある娯楽番組を含む韓流スターの芸能活動を規制していると報じた。
規制対象はバラエティ番組、テレビドラマを始めとする娯楽番組などで、映画、コマーシャルなどもテレビ放映が禁止される。ただし、以前に審査を通過しているものは含まれず、この決定が適用されるのは8月からだという。
業界関係者は、中国の一部のテレビ局や映画会社は正式な通達を受け取っていないとしながらも、この政策が実質的にはもう適用されていると明かしている。ある大手テレビ局ではすでに番組調整が始められており、近いうちに韓国ドラマの放送ができなくなるという。
あるアナリストは、今回の措置は、韓国国防省と在韓米軍が米国の最新鋭ミサイル防衛システム「THAAD」の在韓米軍への配備を決定したことに対する、中国政府の制裁措置の新たな一つであると分析している。
以前から、中国側は様々な形で韓国への制裁措置を講じている。
THAADの配備決定を発表した当日、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の副総裁に韓国人が就任するという決定事項を突然撤回した。
またビールの生産で知られる山東省青島市当局は、韓国の大邱で開催される大邱フライドチキン・ビール祭りへの参加中止を韓国側へ突然通知し、大邱の代表団にも中国で開催される青島国際ビール祭りに参加しないよう求めた。
(翻訳編集・島津彰浩)
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