中国では欧風を基調にした不動産開発が流行し、外国の地名を冠した物件に人気が集まっているが、中国当局はこのほど、国内の不動産物件に洋風または「奇妙な」名前を付けないよう通達を出した。
李立国民生部部長(長官)は22日、「主権と国家の尊厳を破壊する」もしくは「社会主義の核心をなす価値観と伝統的な道徳に違反する」とみなされる名前を不動産物件に付けることを禁止すると発表した。すでに「奇妙な」名前が付けられている建物は、今後審査を受けることになるとしている。
それに対し、中国の不動産ディベロッパーは、洋風の名前を付けることが販売促進につながると困惑している。北京には「バンクーバーの森(温哥華森林)」という瀟洒な住宅が立ち並ぶ高級住宅街があり、上海には「テムズタウン(泰晤士小鎮)」と呼ばれる、その名の通り街の景観が欧風の建物で見事なまでに統一された住宅街がある。異国情緒あふれる風景は「自由で便利な外国生活」を夢見る中国人をひきつけてやまない。
中国に住むある米国人の少女は、北京郊外のジャクソンホールリゾート(杰克逊霍尔渡假村)を訪れた時に驚きを隠せなかったという。彼女の故郷である米国ワイオミング州ジャクソンホールの様子がそのまま再現されていたからだ。
(翻訳編集・桜井信一)