中国重慶市在住の5歳の男の子が、毎日欠かさず食べているものは「泥」。自宅の土壁に使われている泥を毎日食べ続けた結果、壁には大きな穴が開いてしまった。現地紙・重慶商報が報じた。
同紙の取材に対し男の子の父親は、この子が土壁の土を食べるようになったのは2歳のころからと語っている。これまで家族は何度も止めさせようとしたが男の子は全く耳を貸さず、胃袋が大きくなってしまった今では一日当たり少なくとも100グラム強の土を食べているという。さらに不思議なことに、男の子が食べるのは自宅の土壁の泥のみで、他の土には見向きもしない。
3年間にわたって泥を食べ続けた結果、自宅の土壁には80センチ×30センチほどの大きさの大穴が開いてしまった。父親の試算では、これまでに食べた泥の総量は50キロを超えている。
泥の他に、男児はバナナを好んで食べるということだが、ご飯は少ししか食べないという。生後3カ月の時から6カ月間下痢が続き、徐々に回復したことを除き、これまでずっと健康に過ごしてきた。
今年の初めに病院で詳しく検査したところ、男の子は異食症であると診断された。また、ヘモグロビン合成障害を特徴とする先天性小球性溶血性貧血(サラセミア)の症状が見られるほか、筋肉中に存在する色素タンパク質、ミオグロビンの量が通常の半分で、脾臓がへその辺りまで肥大していた。
異食症は子供や妊婦に見られることが多く、特に鉄欠乏性貧血や亜鉛欠乏といった栄養障害が原因となることがあるが、他にもストレスや寄生虫の感染など様々な原因があるとされている。
(翻訳編集・桜井信一)