中国の中央銀行、中国人民銀行の今月7日の発表によると、昨年12月末時点での中国の外貨準備高が前月末時点から1079億米ドル(約12兆7300億円)激減し、3兆3300億米ドル(約393兆円)に低下した。月間減少幅としては過去最大。2015年は5126億6000万米ドル(約60兆4900億円)減少、こちらも過去最大の減少幅である。英紙フィナンシャル・タイムズは、資本の海外流出が加速していることや中国人民銀行が大規模な元買い・ドル売りで人民元相場の急落を阻止していることを表していると報じた。
同紙はトレーダーの5日の見方を紹介、「中国人民銀行が為替市場で人民元の相場を懸命に支えているのは明らかだが、翌6と翌々日の7日には人民元の急落に歯止めがかからなかった」などと、同為替介入の効果は短期かつ限定的だとみている。
市場では元安が続くとの見方が根強い。経済アナリストは「介入を続けても中央銀行はいずれ万策尽きる」と指摘している。
今月7日、人民元対米ドルの為替レートが6年ぶりの安値になったことをうけ、手持ちの人民元を米ドルなどの外貨に換える中国人が銀行に殺到している。上海市証券報は、金融機関の関連業務は激増、多くの富裕層が海外不動産の購入などに目を向け、投資先を海外に転じていると報じた。
ロイター通信によると、中国国家外貨管理局の一部地方支局はこのほど、管轄内の銀行に対し、1月の外国為替の総取扱額が昨年12月分を超えないように制限することを内部に指示したという。
米財務省のデータによると、昨年の前半8カ月で中国から海外に流出した資産総額は5000億米ドル(約59兆円)。英大手商業銀行ロイヤルバンク・オブ・スコットランドの統計では、昨年12月だけで同流出資産は1900億米ドル(約22兆4200億円)に達した。前半8カ月間合計の4割弱に相当することから、流出の勢いが更に加速しているのも明白だ。
(翻訳編集・桜井信一、叶子)
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