中国の株価下落が6月中旬から止まらないなか、国営新華社通信は8月31日、前日に拘束された中国最大の証券会社「中信証券」の上層部幹部4人、有力経済誌「財経」の記者1人、中国証券監督管理委員会(証監会)幹部1人が市場の暴落を招く不正行為を自供した、と報じた。
虚偽の報道で株式市場を混乱させたとされる財経誌の王暁璐・記者について、国営中央テレビ(CCTV)は31日その自供映像を放送した。王記者は7月20日の財経誌電子版で、証監会が買い支えの公的資金の撤回を検討していると報道。証監会は慌てて否定したものの、国営新華社通信は「この記事の影響で、株価が急落した」としている。
また、中信証券の幹部4人の容疑はインサイダー取引である。フランスの国営ラジオ放送局RFIは、「関与した上層部が多いことから、会社ぐるみである可能性が高い」と指摘し、そのうちの1人、常務取締役(董事総経理)劉剛氏の直属上司である同社副会長の劉楽飛氏は「責任から逃れられないのではないか」とみている。劉楽飛氏は、中国共産党中央宣伝部トップ、江沢民派のメンバーである劉雲山氏の息子である。
中国主要政府系メディアの報道はこの件における6人の関係に触れていない。
中国の株価は6月中旬以降に約40%下落。7月初旬から、中国当局は市場操作疑惑に対する取り締まりを強化し、犯人探しに乗り出している。今回の件について、習近平陣営と対立する江沢民派に近い劉楽飛氏が関与したか否か、今後の動向が注目されている。
(翻訳編集・叶子)
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