中国軍元大将の次男である太子党・羅宇氏はこのほど香港紙に投稿し、中国社会危機の禍根は共産党の一党独裁にあるとして、習近平主席に一党独裁の終結を呼びかけた。また最近、習近平氏、王岐山氏などの北京指導部が何度も党滅亡の危機に言及したという。
12月3日、羅氏は香港紙のアップルデイリーに「習近平君とのご相談」というタイトルで文を寄せ、現在の中国のあらゆる危機は一党独裁に起因すると強調した。信念の危機や道徳の危機、環境の危機、経済危機、金融危機、教育の危機、医療の危機、資源危機等、いずれもそうである。
それを終結させるために、逐次的な民主化を提案した。つまり報道の自由、政党結社の自由、司法の独立、民主選挙、軍隊の国家化というステップで、中国を民主化に向かわせるのである。
12月4日、米国に滞在する羅氏は新唐人テレビ局の取材を受け、なぜこの時点で習近平氏に呼びかけたかの背景等を説明した。
羅氏によると、習近平政権になってからすでに3年が経過しており、政変を企んだ人たちの処理もほとんど済み、いわば自分を守ることができている。今は中国の行方が問題であり、つまり「独裁の方向に行くか、それとも民主の方向に行くか」だという。
羅氏はこう続ける。習近平氏の民主化への実行に望みを託しているのは、一つは彼の家族と習氏の家族は親の代から付き合いがあり、比較的よく知っているからである。両家族とも共産党の一党独裁に苦しめられた経歴を持つ。習近平氏は彼より10歳年下で、文化大革命の時に、「まだ小学生なのに、鉄の帽子をかぶせられ街中を引き回された。習氏は一党独裁の問題について多くの考えがあるはずだ」
羅氏によると、世界的民主化は歴史の発展の流れであり、習近平氏もわかるはずだ。現在、習氏を阻害する最大の力は「官僚資本主義」の中で儲けた既得利益集団で、ほんの一つまみにすぎない。
「何人いるだろうか。100万か、多くても150万だろう。中国には13億の人間がいる。本当に民主的な道を望んでいる中国の民衆が絶対多数だ」という。
羅氏はさらに、習近平氏は蒋経国・元台湾総統のように、専制でもって専制を終わらせることを考えているかもしれない、もしそうであれば、彼を支持したいと語った。
現在71歳の羅氏は中国共産党軍元老、羅瑞卿・元大将の次男で、かつて軍総参謀部の大佐を務めた。羅瑞卿氏は副総理、総参謀長などを歴任した。
文化大革命の当時、羅瑞卿一家はさんざん迫害を受けた。1989年に六四天安門事件が起きてから、海外にいた羅氏は中国共産党を見捨て、帰国しなかった。1992年、羅氏は当時の江沢民・中国共産党軍事委員会主席の命令により軍籍と党籍を除名された。
共産党滅亡の危機
近年、中国共産党の滅亡危機はホットな話題になっている。習近平氏や王岐山氏などの北京指導部は何度もこれについて言及した。
香港誌「争鳴」の11月号の報道によると、汚職摘発機関の中央規律検査委員会の王岐山書記は10月の中国共産党「五中全会」前の中央規律検査委員会常務委員会の会議で、党内の腐敗堕落状況、規模、深さについて、すでに変質し、崩壊の臨界点に達したと明確に表した。
さらに、「これは承認するかどうか、受け入れるかどうかの問題ではなく、厳しい現実だ」、「これはもちろん体制、構造上に大きな問題、党内上層政治に大きな問題が生じたからだ」と話した。
04年11月に発表した大紀元の社説『九評共産党』により、中国共産党の邪悪な本質と歴史の罪悪が暴かれた。それが引き金となり、中国で民衆による共産党とその関連組織からの離脱運動が起きている。
現在、毎月少なくとも300万人の離脱者が離脱表明を出し、これまで脱退した人数はすでに2億2100万を越えた。
(翻訳編集・金本)
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