中国共産党元老の一人で、毛沢東の忠実な臣下とされた故・羅瑞卿大将の息子が12月3日、香港メディア「アップルデイリー」に、共産党による独裁政権を終わらせるよう習近平国家主席に訴える公開状を発表した。
羅瑞卿大将の次男・羅宇(71)氏は「義弟・習近平君と協議したい」と題する公開状で、十歳年下で同じ「紅二代」の習近平氏に、中国の現状について自身の見解を述べた。羅氏によると、習近平政権は周永康と薄熙来らが企てたクーデターを阻止することに成功したが、反腐敗キャンペーンは「党全体が腐敗しているから既存の方法では成功しない」という。
「全員が汚職に手を染めているとき、誰があなたに協力できるだろうか。7人の常任委員のうち、1人は支持し、1人は中立の立場にいる。しかし残りの4人は失敗を待っているようだ」と警告した。
また羅氏は、現在の中国は信仰、道徳、環境、経済、金融、教育、医療、資源など、全ての面において「危機が迫っている」とし、「根本的な原因は中国共産党の独裁政治だ」と断言。習主席が取る次のステップとして「本気で反腐敗をするなら、順序立てて徐々に民主化へと歩むしかない」とアドバイスした。下記はその手順と羅氏の持論。
1.メディアを解禁する▼報道の自由があれば、役人も暴露されるのを恐れて不正行為に抑制することができる。
2.一党独裁政治をやめる▼中国にも憲法はあるが、共産党をはじめ誰も憲法を順守していない。
3.司法権を独立させる▼文化大革命、天安門事件、法輪功への迫害、これら全ては憲法に違反した行為で、しかも中央が先頭に立って憲法違反をしている。
4.選挙を行う▼選挙で選ばれた役人は簡単に不正行為できない。
5.軍隊を国家化にする▼軍隊を政治闘争のための道具として使ってはならない。
「この5つは民主政権の基礎であるが、現在の共産党政権には一つもない。そのため独裁専制と呼ばれ、世界で最も遅れた反人間性の政治制度だ」と羅氏は指摘した。
羅氏は公開状で、習氏とは親世代から家族絡みの付き合いがあったことを明かした。「兄弟のように語り合いたいが、独裁政権下では不可能で、海の向こうから呼びかけるしかない」とつづった。
羅宇氏はかつて中国人民解放軍総参謀部に所属。当時の階級は大校(上級大佐)。天安門事件での共産党による学生鎮圧に不満を抱き、1989年にフランス航空ショーに出席して、そのまま海外に残った。1992年に当時の江沢民主席によって軍籍と党籍を剥奪された。
この公開状が発表された後、大紀元は羅宇氏に独占インタビューを行った。内容を近日中に掲載する予定。
(翻訳編集・単馨)
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