【大紀元日本2月6日】2月2日から大紀元グループに対して大規模なサイバー攻撃があり、日本語を含む一部サイトでは閲覧に支障が生じた。関係者の話では、大紀元日本を運用するサーバには平均時の数百倍近い、一日10億回以上の問い合わせ(クエリ、データ処理要求)があったという。
海外拠点の中国メディアが中国政府の資金を受けて宣伝機関となっている一方、大紀元は独立メディアとして一線を画してきた。中国共産党の検閲を受けない大紀元は、これまでに幾度となくサイバー攻撃を受けてきた。この度の攻撃の首謀者は明らかになっていないが、過去の事例では、中国の政治変動や事件事故により社会事情が不安定になった時、比例してサイバー攻撃は強まった。
今回の攻撃元は中国、米国、日本など世界中で、一日10億回以上の問い合わせ(クエリ)が大紀元日本のサーバへ送られた。膨大なアクセスでサーバ管理側は運用を一時停止せざるをえなくなり、それによりサイトは閲覧できなくなった。
大紀元日本の情報技術者はその特徴から、第三者のコンピュータを、悪意を持って操作し攻撃の「踏み台」にして、標的に対し膨大な負荷を掛ける「DDoS攻撃」とみている。現在、この種の攻撃から完全に防衛する方法はなく、インターネットの脅威とされている。
大紀元グループへのサイバー攻撃は日本時間2日夜に確認された。「閲覧できない」との通報を受けた情報技術者がサーバ管理会社に問い合わせると、アクセス過多により運用停止措置を取られていたという。
容赦ない攻撃は翌3日も続いた。複数の企業からサーバを次々と新規に設置するも「トラフィック量が多過ぎる」として各社は運行の継続を拒んだ。この情報技術者は「日本のインターネットサービスプロバイダで耐えられる量ではない」と攻撃規模を表現する。
大紀元中国語と英語、同じく独立メディアの衛星放送局・新唐人テレビも同時期、閲覧不可やサイト表示の一部に異常が出るなどの被害に遭っている。深夜や早朝には攻撃規模が収まり、閲覧できるようになるため、攻撃者は日中に作業していると見られる。
これまで大規模なサイバー攻撃は、主に大紀元中国語と英語に対して行われていた。10年目を迎える日本語では、今回が初めての大規模攻撃だ。大紀元日本の盧勇編集長は「中国の隠された内情が、日本社会に伝わるのを中国共産党は恐れているためではないか」「中国問題を指摘してきた香港支社長の来日講演への妨害か」と、今回の攻撃が共産党主導のものとの推論を述べた。
大紀元はこれまでも、中国の政治や社会事情に変化が起きると、集中的なサイバー攻撃を受けてきた。江沢民元国家主席の右肩・周永康氏の汚職や職権濫用に係る報道や、薄煕来元共産党幹部のクーデター計画をいち早く報じた時、大紀元本部が置かれる米国では大規模なサイバー攻撃を受けた。また多数の法輪功学習者が収監され、拷問や強制労働が行われている遼寧省馬三家労働教養所の実態について報じた時なども、同様な攻撃被害があった。
いずれの報道も中国共産党のタブーとされる事項で、中国国内では知ることが出来ない内容だ。大紀元日本のサイトは現在、技術的な調整により閲覧が可能になったが「ここ数日は予断を許さない状況。次なる大規模な攻撃が予想される」と技術者は語る。大紀元日本は警戒を強めている。