【大紀元日本1月22日】過激派組織イスラム国(ISIS)は、日本人2人の殺害予告映像をインターネット上に公開した。緊迫した状況であるにもかかわらず、この映像を日本のインターネット利用者はアニメやイラストを加え、滑稽な加工画像(コラージュ画像)を作り次々と公開した。あまりにも不謹慎な行為に中国のインターネット利用者は日本の「平和ボケ」を指摘。またISISに関係するとみられる者からは怒りを買い、一部から報復攻撃を示唆するメッセージが発せられ、深刻化を招きかねない事態となっている。
中国のインターネット利用者は、「なんて不謹慎だ、平和ボケにも程があるでしょう」「このような行為は中国なら死ぬほど罵られるはず」「日本にはアニメがあるから(非常事態でも)冷静で無関心だ」「あの島国ではこの重大事件に大衆が狂喜して画像コラ大会か。(皮肉って)ずいぶん神経が図太いな」などとコメントした。
またイスラム圏の国からも日本の画像コラ行為を見下すコメントが続いた。「日本人は2人の男の命を考えていない。なんて自分勝手なのか」「馬鹿馬鹿しい」。さらに、ISISに関係するとみられるツイッター利用者は、煽りを受けたと憤慨している。「この2人の男の首が切り落とされた後、お前の顔を見てみたい」「日本人はなんて楽観的なのか。5800キロメートル離れているから安全だと思っているのか。我々はどこにでも軍を構えている」と、報復攻撃を示唆する警告メッセージが宛てられた。
ISISは日本に対し、72時間以内に身代金2億ドル(約230億円)を支払うよう要求している。日本政府は、殺人予告映像に映し出されたのは民間軍事会社経営者の湯川遥菜さん、フリージャーナリストの後藤健二さんと断定。安倍晋三首相は20日、イスラエルでの共同記者会見で「人命を盾にとって脅迫することは許しがたいテロ行為であり、強い憤りを覚える」と非難。直ちに解放するように求めた。
2億ドルという高額な身代金について、実際に支払われていると考えて要求された額ではないと、東京大学先端科学技術研究センター准教授で中東専門家の池内恵氏は指摘する。「日本が中東諸国に経済支援した額をもって象徴的に掲げているだけ」「アラブ諸国では日本は『金だけ』と見られており、法外な額を身代金として突きつけるのは、日本から取れるものなど金以外にない、という侮りの感情を表している」と分析を自身のブログで表した。
NHKの取材に応じたISIS広報担当は、「金が必要なのではない。イスラム国は、この金額より高い金を1日で使っている。経済的な戦いではなく精神的な戦いなのだ」と述べた。一方で、日本政府が身代金を支払うとの見方も示したという。
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