【大紀元日本9月12日】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世(79)は7日にドイツ紙の取材を受け、「後継者不要」の意向を初めて明らかにした。国際社会で大きな注目を集めている一方で、中国政府系メディアは直ちに「ダライに制度を廃止する権利はない」と反論。仏国際放送「ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)」中国語版が11日伝えた。
それによると、ダライ・ラマは自分が最後のダライ・ラマとなると述べ、「もしダライ・ラマ15世が生まれて、継承されてきた伝統的な制度の名誉を傷つけるようなことになるなら、むしろ今のうちに終わりにすべきだ」との認識を示した。
一方、中国政府系メディアの環球時報は9日、「ダライに輪廻転生制度を廃止する権利はない、次世代のダライ・ラマが愛国者に」と題する記事を同紙の軍事評論コラムで掲載した。記事のトップ写真は、共産党の全人代両会(日本の国会に相当する)に出席している中国版のバチェン・ラマ11世だった。
ダライ・ラマ法王事務所の関係者は9日、ダライ・ラマの輪廻転生制度について2011年9月24日に発表された声明に従うと答えた。声明の中で、ダライ・ラマは「私が90歳位になった時に、伝統仏教の大ラマ、チベット人、さらには関係信者の人々の間で意見を集約させ、ダライ・ラマの輪廻転生制度を継続する必要があるかどうかを再度詳細に検討する予定」と明言した。
(翻訳編集・王君宜)