3年前にネットへの一つの書き込みで政府系慈善団体・中国赤十字会の信用を失墜させた郭美美容疑者(23)が20日、北京で「カジノ開設」などの疑いで逮捕された。中国メディア・中新網などが報じた。
警察当局の情報によると、郭美美容疑者はカジノ開設などで摘発された。毎回の投入金額が100万元(日本円1700万円相当)以上に上ったため、重い犯罪とされ、懲役3~10年の刑を言い渡される見込みだという。
郭容疑者は7月14、サッカーワールドカップ・ブラジル大会の試合の勝敗でギャンブルをしていたとして、賭博罪の容疑で拘束された。
8月3日から4日にかけて国営中央テレビ(CCTV)をはじめ中国全土のマスコミは、相次いで郭容疑者の売春、ギャンブル、愛人生活などに関する大規模な暴露報道を行った。報道の最後には、郭容疑者は「中国赤十字とはまったく関係ない」と強調している。
郭容疑者は2011年6月、中国版ツイッター「新浪微博」に「赤十字商会総経理」を名乗って常識外れの豪奢ぶりを披露した。そのためインターネットを中心に、義援金を横領・流用しているのではないかと疑問視する声が高まり、中国赤十字会の信用は地に落ちた。
2013年4月、雅安地震発生後、中国赤十字会は公式ブログで義援金の寄付を呼びかけたが、中国人ネット利用者の14万人以上が「失せろ」と罵倒。
義援金が集まらず怒りを感じた中国赤十字会は、名誉毀損で郭容疑者を訴えるとの声明を出した。それに対し、郭容疑者は「私に指一本でも触れたら、赤十字の機密情報を公開する。資料はすでにアメリカに送った。どうぞ、やってごらん」と一蹴する傲慢さを見せつけた。
それを聞いた中国赤十字会は直ちに屈服し、事務総長は「だれも郭美美さんを訴えるなどのことは言っていない」と口調を改めて弁明した。
劇的な展開を見せたこの「郭美美事件」について、郭容疑者はどの大物の弱みをつかんでいるのか、中国のインターネット利用者の間で大きな話題になっている。
中国語大紀元は7月12日付記事で、中国共産党の序列5位、劉雲山・中央政治局常務委員・中央書記処書記と息子・劉楽飛氏が「郭美美事件」に深く関わっていると伝えた。
劉書記は自身の影響力を駆使し、息子・劉楽飛氏を中国保険大手の中国人寿保険に入社させ、投資運用部門のトップの座につかせた。「郭美美事件」の発覚により信用が疑問視され始めた、劉楽飛氏が手がける同社の保険プロジェクト「博愛ポスト」。赤十字会の慈善の名に隠された「収益性の高いビジネス」だ。
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