マック店内で女性暴行死、誰も助けず 社会に震撼=山東省

2014/05/31
更新: 2014/05/31

【大紀元日本5月31日】中国山東省招遠市のファーストフード、マクドナルの店内で28日、来店中の女性が男女6人のグループから暴行を受け、死亡する事件があった。女性はグループと面識がないという。暴行中、店員や多数の来店者が事件を目撃していたが、誰も女性を助けしようとしなかった。加害者の残虐さ、来店者の無情さに市民は強い衝撃を受け、地元公安局の公式微博(ウェイボー)に60万を超える書き込みが寄せられた。

目撃者がインターネットに投稿した書き込みによると、同日夜9時頃、グループの1人が店内で携帯番号を教えてほしいと各テーブルを回っていた。1人で食事していた女性はこの要求を拒否したため、グループと口論の末、暴行された。同時にアップされた暴行現場の動画によると、女性は店内のスチール椅子で殴られたのち、地面に倒れ込み、グループの30代の男性によって頭部を激しく蹴られた。その後、男性らは購入したばかりのステンレス製のモップで執拗に頭部を殴打した。持ち手が折れてしまうほど強い力を加えられていた。通報を受けた警察官が現場に到着しても暴行は止まなかったという。現場となる店の向かい側は警察署だった。

暴行中、ほかの来店者が「やめろ」と声を掛けたものの、制止する人はおらず、店員も止めに入らなかった。グループの人は「助けた人にも死んでもらう」と気炎をあげていた。被害者女性の悲鳴が店内に響き渡っていたが、徐々に声がなくなり、息絶えたという。

何の落ち度もない女性が大勢の前で殺された。事件の残虐さに衝撃を受けた市民の怒りは地元警察当局の対応にも向いた。28日に発生した事件は30日になって地元警察当局によって発表された。暴行の動画がインターネットで掲載されたためだとみられる。さらに発表では、「被害女性は食事中、グループとトラブルを起こした」、「通報を受け、警察官は迅速に現場に駆けつけた」など女性にも非があることや、警察の対応に問題がないことを強調する書き方をしている。

ネット利用者はその後、犯行の主犯格の男の身元を特定した。地元で金鉱を所有する富豪だという。当日、長女、次女、長男を連れて来店していた。情報によると、男は地元の公安局長と懇意にしており、日頃から多額の賄賂を贈っていたという。事件後、未成年の長男を除き、全員殺人罪で現行犯逮捕された。

事件の発表後、地元公安局は公式微博に殺到したコメントを削除していたが、投稿のスピードに追い付かず、今でも約62万のコメントが残っている。コメントには「(動画を見て)女性の叫び声が頭から離れられない」「今日私たちが沈黙を守ったら、いつか私が理不尽な待遇を受けたとき、声を上げてくれる人がいなくなる」、「動画がなければ、この事件はもみ消されていた」、「わが偉大な祖国、国民にまだ生き残る場所があるのか」などと怒りや落胆の声が寄せられている。

(翻訳編集・高遠)
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