【大紀元日本3月14日】中国太陽光発電関連メーカーの上海超日太陽能科技股份有限公司が7日、予定していた社債「11超日債」の利払いが不履行になったことで、中国本土初の債務不履行(デフォルト)のケースとなった。現在国内では、風力発電機メーカーの華鋭風電科技股份有限企業が発行する総規模28億元(約460億円)の「11華鋭01」と「11華鋭02」社債(5年債)が、「超日債」に次いでデフォルトになる可能性が高まっていると注目している。
華鋭風電がこのほど発表した業績予想報告では、同社は2012年の5.8億元(約95億8000万円)の赤字に続き、2013年も30億元(約495億円)の赤字で、2期連続の赤字決算との見通しを示した。中国債券市場では、債券発行人が連続2年の赤字収益となれば、発行されている債券は取引停止になると定められている。華鋭風電は4月22日に年度決算報告書を発表する予定だ。国内紙「毎日経済新聞」(12日付)は華鋭が業績を黒字に転じさせ、また風力発電業界全体に大きな改善が見られない限り、同社のデフォルトリスクは非常に高いとした。中国風力発電業界は現在過剰生産問題を抱えている。
一方、上海超日は4日夜、資金繰り悪化のため7日に予定していた8989万元(約14億8300万円)の利払いのうち400万元(約6600万円)しか支払うことができないと発表した。中国債券市場での初の債務不履行(デフォルト)となった。経営不振のため「超日債」は昨年7月すでに取引停止となっている。
「超日債」のデフォルトは全国人民代表大会(全人代)の会期中に起きており、中央政府あるいは地方政府から救済の動きは全くない。このことから多くのアナリストは、政府がデフォルト懸念の強い企業に対し、政府の救済を期待してはならないとのシグナルを送っていると分析した。
国務院参事で、国務院発展研究センター金融研究所の夏斌・所長は2月に開催された「中国経済50人フォーラム2014」において、政府が過度な緩和的金融政策を段階的に縮小することで、資金調達難に直面している一部の「ゾンビ企業」は相次いでデフォルトに陥るだろうと発言し、当局の方針を示唆した。
李克強首相は13日、全人代閉幕後の記者会見で、超日債のデフォルトに言及し、金融商品がデフォルトになるのを目にしたくないとしながら、「個別の状況では(デフォルト)避けられない」と話し、高利回り金融商品のデフォルトを容認する姿勢を示した。今後負債が多く、特に過剰生産に陥っている造船、鉄鋼、金属などの産業において、デフォルトのケースが増えることが予想される。