【大紀元日本5月27日】1989年6月4日早朝、北京の天安門広場で民主自由を求め、共産党の腐敗是正を願った学生や市民が軍隊に武力弾圧され、多数の死傷者が出た「天安門事件」が起きた。それ以来、毎年6月4日になると、中国政府は厳重な警備体制を敷き、学生運動などの再発防止対策を徹底している。
「天安門事件」24周年を控えた5月23日、上海郊外の斉賢鎮に突然、95式自動小銃を手にした大勢の警官と武装警察部隊、そして重機関銃を装備する大量の装甲車と戦車が現れ、道路の一部が封鎖された。地元の住民らは「上海で何かの事件が起きたのか」と不安を募らせた。
写真や情報は瞬時にネットなどへ投稿され、「上海では未曾有のこと、何が起きたのか」とインターネットを賑わせた。
天安門事件24周年を控えた今、この出来事は「天安門事件」の再発防止対策の一環かどうかは不明だが、各地の警察当局が監視体制をより一層強化してきたのは事実である。
山東大学の名誉教授・孫文広氏は外出禁止令を出され、監視員も普段の10人から40に増えたという。広州市在住の人権活動家李維国氏ら3人は「天安門事件」の記念デモを申請したため、当局に身柄を拘束された。
そして、「天安門事件」で子供を亡くした母たちが組織した民間団体「天安門の母」の1人、張先玲さんは、「われわれの要求はきわめて明確だ。政治問題を法律で解決する。彼らは私たちの子供を殺したうえ、親まで迫害し、尚且つ記念活動すら許さない。われわれの存在はまさに犬にも及ばない」と憤りを隠せない。
今の中国は、人権活動家をはじめ、民主、自由、平等や「天安門事件」の是正などを要求することが拒否されるばかりか、その活動は反政府行為として厳しく弾圧される。
中国社会科学院が発表した2013年中国の『社会白書』によると、近年、各種の社会問題による集団的抗議事件が相次ぎ、年間数万から10数万件に上るとしているが、実際は年間20余万件にも及んでいるという。中国国務院参事・牛文元氏によると、中国は毎日おおよそ500件の抗議事件が起きているという。
著しく反動化するこの共産党に対し、中国人はすっかり失望してしまった。中共組織から脱退する国民の自覚運動の高まりを背景に、独裁政権と国民との攻防戦もいよいよクライマックスを迎えるのだろう。
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