<赤龍解体記>(111)習近平主席の恩師、「共産党はせいぜい5年」と発言

2013/04/01
更新: 2013/04/01

【大紀元日本4月1日】習近平国家主席はかつて中国の名門・清華大学法学院で博士号取得に向けて研究を行っていた。そのときの指導教官は孫立平という教授だった。習主席の恩師である孫教授は政治に関与せず、独自な哲学と自由な思想をもつ学者として注目されている。

昨年末、孫教授は中国の有力紙『財経』が主催したシンポジウム「2013:予測と戦略」において演説を行った。孫教授は演説で「各級の政府は目的達成のためにいかなる手段も辞さず、悪事を働く権力さえ与えたため、中国を法治と無縁の国に落とし入れてしまった」と容赦なく批判した。そして、「革命が静かながらすでに起きている」とし、「もし共産党が歴史と断絶するチャンスを失えば、何年の内に必ず異変が起きる」と警鐘を鳴らし、「共産党政権もあと10年は存命不可能で、せいぜい5年」と言い切った。

参加者が1000人を超え、国内外の著名な学者や商務省大臣の陳徳銘氏、前全人代副委員長の成思危氏などの高官が臨席しただけに、孫教授の発言は強い衝撃を与えた。

孫教授は講演で、特に「維穏」(安定維持の運動)に言及し、「維穏は実際、法治に対する大きな破壊であり、法治を無視することだ」と厳しく批判した。

維穏は共産党に反体制と判断されたすべての人々を取締っている。その体制は胡錦濤時代を経て、習近平時代に至っている。

元中央政治局常務委員であり、「維穏」の最高責任者であった周永康氏は在任中、「維穏」は共産党政権を守るための不可欠なものだと位置づけたため、「維穏」任務に当たる政法委(警察、司法、公安関係)が絶大な権力と潤沢な資金を手にすることができた。

こうした背景で、政法委は制約、監督されることがなくなり、手にした特権を武器に職権乱用し、違法的な取締りを行ってきた。中国の幹部の腐敗が山ほどあるが、もっとも深刻で国民に憎まれるのは政法委関係の司法腐敗なのだ。

司法の腐敗や高圧的な「維穏」によってもたらされた結果の危険性について、習近平氏はむろん十二分に知っている。そのために、習氏が国家主席になってから周永康氏が掌握していた政法委のトップは最高指導部メンバーから除外された。

しかし、現体制の下でいかなる改革や腐敗是正を行っても、いずれも失敗に帰すに違いない。習主席は、無駄な努力をするよりも「国師」の警鐘に耳を真摯に傾け、そして中国、世界、人類の未来のために知恵を絞って根本的な対策を講じればいかがだろう。

(呈工)