中国紙幣、100人民元(Getty Images)
【大紀元日本2月22日】中国政府の債務残高の対国内総生産(GDP)比は62%~97%に達していると指摘する報告書がこのほど発表された。この比率は中国政府が発表した16%を大きく上回っている。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が20日、伝えた。
報告書を発表したのは英国を代表する金融グループのバークレイズ。それによれば、中国政府が発表した数値では、地方政府が発行している債券や、鉄道部、国有銀行、資産管理会社などが抱える不良債券はカウントされていない。それらを入れると、中国政府の債務残高の対国内総生産(GDP)比は62%~97%に跳ね上がるという。なお、世界的には60%が警戒水準とされている。
中国政府が発表した2012年の国内総生産51.9兆元に、バークレイズの比率を掛けて計算すると、中国政府の負債総額は32兆元(約480兆円)を超え、最高50兆元(約750兆円)に達する結果になる。
米国在住の中国人社会学者程暁農氏はRFAの取材に対し、「政府債務の大半を占める地方政府の巨額負債を、当局は公表していない。16%という数値は、財政部(財務省)が発行する国債対国民総生産の比率に過ぎない」と報告書に同調した見解を示した。
さらに、報告書でも「中期的最大財政リスク」と指摘するこの地方債について、程氏は、地方政府が直接発行する債券のほかに、地方政府が設立した多くの信託投資会社がさらに債券を発行し、銀行からも融資を受けていると指摘。入手した資金は政府ビルや地下鉄建設などに投じられているが、「そのほとんどは回収不可能で永久的な債務になるだろう」
報告書はまた、中国の高齢化に伴う年金負担の増加は「長期的最大財政リスク」とみている。将来的に年金支出は国有財産の総額を超える可能性を示唆し、中国政府は高齢化社会の対応に迫られると強調した。
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